CBS MarketWatchによると、27日の米債券市場は、24日に行われたイラン大統領選挙の決選投票で、保守強硬派のアハマディネジャド・テヘラン市長(48)が当選したことを受け、今後世界第2の石油産油国であるイランと米国との関係の悪化が懸念されたことから、原油価格が一時1バレル=61ドルを超え世界経済の成長が停滞するとの思惑を背景に、米国債に買いが入り、指標の10年国債は前週末比3/32上昇の101−23/32と上伸した一方、利回り(債券価格とは反対に動く)は、一時3.89%まで下落した後、心理抵抗線の4%を引き続き下回る3.91%(前週末値3.92%)で終了した。

  欧州では先週、スウェーデンの中央銀行が利下げを実施したうえ、英中銀イングランド銀行の委員の中にも利下げを支持する姿勢が見られ、欧州の景気が鈍化しているとの思惑が強まっており、ECB(欧州中央銀行)は今後利下げに踏み切るのではとの観測が市場に広がっている。トリシェECB総裁ら幹部はこれを受け、利下げの可能性を否定、同観測の沈静化に努めている。一方、FRB(米連邦準備制度理事会)は30日、原油高が続く中、9回連続となる利上げを行う公算で、政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利を現在の3%から3.25%に引き上げる見通しだ。【了】