オランダ北部に位置する商業都市フローニンゲンは、のどかな地方都市として愛されている。

紀元前4千年ごろから人が住んでいたと言われる同都市には、花弁のような美しい形の中世の城壁が今でも残る。

第二次世界大戦末期、フローニンゲンの戦いとして、戦火に巻き込まれた同都市。

城壁のそれより3世紀前のイギリスとの闘いでは耐えた城壁も、その大部分を失ってしまった。しかし、旧市街の中心で市民の精神生活を支えてきたマルティニ教会や、市庁舎は無傷で残った。

宗教教育を推進したフローニンゲン大学は、1614年に端を発する歴史の下に存続し、オランダで2番目に古い大学である。

人口の25パーセントが学生のまさに学生都市を作り出したのは、フローニンゲン大学の歴史と権威のおかげだろう。

オランダで最初の女性の大学生Aletta Jacobsや、オランダ人初の女性宇宙飛行士Wubbo Ockelsなど、歴史に名を残す学生を多く輩出している同校は、名実ともに名門校といえるだろう。

学生には欠かせない夜の生活を支えるバーやカフェはもちろんのこと、市民の文化的生活を支える劇場や現代美術館など、全てが日々平和に営まれている。

こんなのどかで美しい都市が、かつて悲惨な戦争に巻き込まれたとは信じがたいかも知れない。

どうか、フローニンゲンの平和には、痛みで学んだ理由があるのだということを忘れずに、同都市での観光を楽しんでほしい。

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