[OH!バンデス-宮城テレビ]10月28日放送の宮城解体新書のコーナーでは、宮城の秋の風物詩である芋煮会について放送されました。

宮城県では秋になると、河原に集まりみんなで里芋の入った鍋料理を作って食べる風習があります。これを「芋煮会」といいます。

画像はイメージです(ivvaさん撮影、Flickrより)

芋煮といえば宮城だけでなく山形も有名ですが、山形風は具材として牛肉を使い、出汁醤油で味付けをするのが一般的。一方仙台風の芋煮は豚肉を使った味噌味。山形県民に言わせると仙台風の芋煮は、「豚汁ではないか?」との意見があります。

仙台風芋煮のルーツとは?

宮城県味噌醤油工業協同組合の顧問、山田勝男さんによると、芋煮のルーツとして有名な説としては2つあり、1つは、お米など農作物の収穫を祝う「秋の収穫祭」としてこの時期にとれた「里芋」を使って野外で鍋をしたこと。

もう1つは、江戸時代、舟運で栄えた山形(現中山町)最上川で、船を待つ時間に川岸の松の枝に鍋をかけ、里芋を煮て食べたこと。その松は「鍋掛松」として今でも残っています。

さらに、宮城はなぜ味噌味なのかについては、味噌には魚の生臭み(アミン臭)を消す作用があり、汁物=味噌の食文化がある沿岸部で芋煮鍋にも使われたことから一般的になったのではないかということです。

同じく山形でも、沿岸部である庄内地方では醤油味ではなく味噌味の芋煮を作るところがあるとのことです。地域に伝わる季節行事や風習もルーツをたどるとより深く楽しむことができますね。(ライター:長沢あきこ)