札幌日大vs稚内大谷
札幌日大 福内将人
5回まで7安打で6点と効率よく得点を重ねた札幌日大。投げてはエース・福内 将人(2年)が6回を2安打無失点。7回からは今大会初登板の左腕・石井 蒼大(1年)がリリーフ。3イニングで四つの三振を奪い、完封リレーで夏の南北海道大会に続いての決勝進出を決めた。｢福内はようやく彼本来のピッチングをしてくれた。気持ちが全面に出てくるようになり、それが腕の振りの強さに繋がっている｣と森本 卓朗監督はエースを讃える。キャッチャーの土門蒼汰(2年)も、｢全道大会に入ってから(3試合目で)一番良かった｣と受ける手応えを話した。
稚内大谷打線に三塁を踏ませなかった福内。投球内容でもう一つ際立つのが、球数63と少なかったこと。特に2回が6球、5回は5球でチェンジと守備時間が恐ろしく短かった。キャッチャーの土門は、｢ビデオ(VTR)を見て相手打線は初球から振ってくると感じた。初球に変化球を投げて打たせてゴロでアウトを取ろうと思いました｣と分析していた。一方の稚内大谷の本間 敬三監督は、｢相手投手が変化球でカウントを取ってくるので、積極的に振ろうとした｣と話したものの、｢捕えられそうで捕えきれなかった｣と悔やんだ。
両チームの狙いはリンクしているが、土門が話す、「全道大会に入ってから一番良かった」という福内のデキが札幌日大に勝ち運をもたらしている。ただ、稚内大谷の上川原 丈登主将(2年)に早いカウントから打ちにいった攻撃のことを聞くと、｢これがウチの野球。(時には｣3球でチェンジになっても構わない｣と普段からの攻撃スタイルだったことも明かした。このゲームに関しては、それが上手くハマらなかったとも言える。
もう一つこのゲームのポイントになったのは、冒頭でも触れた5回まで7安打6点と少ない安打数で得点を奪った札幌日大の攻撃。
これは稚内大谷のエース・正岡 翔也(2年)のコントロールが定まらなかったことが要因となっている。 札幌日大の5番・品田 悠輔(2年)に本塁打を浴びた3回以外の失点、全て四球で走者を与えてタイムリーで返されたものだった。｢今日は自分のピッチングができなった。四球で走者を出して点を取られたのがもったいなかった。これからの課題です｣と振り返った正岡。5回でマウンドを降り、球数は122。札幌日大・福内の倍以上となっていた。
ちなみに両チーム、後半の3イニングはリリーフがマウンドに上がった。ここでは、札幌日大の石井が37球、稚内大谷の上川原が22球と立場が逆転している。点差や展開にもよるが、これが野球の不思議な部分でもある。
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