梅雨明け前にも関わらず、全国各地でうだるような暑さが続いていますが、こうなってくるとやはり聞きたくなるのが「怖い話」。話を聞いただけでは涼しくなれない！という人は、東京にある、いわくつきの「坂」に行ってみるのはいかがでしょうか。今回は、あるひとつの「坂」にまつわる都市伝説のお話です。


行きと帰りで数が違う「おばけ階段」とは!?



坂の街、東京。
この街には無数の坂があり、中には変わったエピソードや伝説を持つものもあります。
たとえば「幽霊坂」と呼ばれる坂は、東京に15ヵ所も存在し、それぞれなんらか、そう呼ばれる理由を持っているのです。
今回はその中のひとつ、「おばけ階段」をご紹介しましょう。

文京区・根津。
実は文京区は、東京の中でも最も坂の多い区でもあります。
そこに存在するのが、地元の人には有名な「おばけ階段」です。
「根津の幽霊坂」という別名もあり、その名のとおり、ちょっと怖い都市伝説がある場所。
その伝説とは、「行きと帰りで段数が変わる」というものです。

上るときは40段。
それなのに、下る時は39段。
なぜか、段数がひとつ減ってしまうのです。
しかも「4」は「死」を表わす不吉な数字、「39」も「三重苦」でこれまた不吉……。
とにかく怖いと恐れられているホラースポットなのです。

この階段にはたくさんの伝説があります。
階段の石は墓石で作られている、数えながら上ると死んでしまう、など。
昔からこの辺りは人気が少なくて薄暗く、根津神社が近くにあることもあって、なにかと噂の多い坂道でした。
今は階段が整備されそこまでではないものの、昔の写真を見ると、いかにも「何か」が現れそうな雰囲気。

でもいったい、なぜ行きと帰りで段数が違うのでしょうか？
実はその真相は、下から数えて一番最初の段のせいではないかと言われています。
最初の段だけがとても低く、上りのときはそれを一段と数えるものの、下りはあまりに低いから数え忘れてしまう……。
おばけとは、あまり関係なさそうで、ちょっとガッカリですね。

東京に点在する「幽霊坂」。
これからの暑い季節、散歩で訪れれば、ちょっと涼しさを感じられるかもしれませんよ。

文／岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「行きと帰りで数が違う、おばけ階段」として、7月4日に放送しました。

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＜番組概要＞
番組名：「シンクロのシティ」
放送日時 ：毎週月〜木曜15：00〜16：50
パーソナリティ：堀内貴之、MIO
番組Webサイト：http://www.tfm.co.jp/city/