エッセイストの華恵がお届けする「エイピーピー・ジャパン presents LOVE TREES〜未来への杜〜」。未来に自然の杜を残したいという思いのもと、ゲストの方々に“大事にしている紙”を持ってきていただき、その紙に記録された思いをうかがう本番組。6月17日の放送では、HYの新里英之さんをお招きしました。



華恵「新里英之さんが未来に残したい“紙”とは何でしょうか？」

新里「僕、歌詞とトークの内容まで全部考えたものを一回紙に落とし込むんですよ」

華恵「歌詞とトークを書いたノート？　これまで歌詞を書かれている方はたくさんいましたが、トークも書くのは初めてのケースですね。いつぐらいから使っているノートなんですか？」

新里「バンドを始めた時から書くようにしてますね。僕、ステージにあがって、即興で物事を返すのが苦手なんですよ（笑）。なので、みんなを笑わせるちょっとしたネタも全部書き出します。『きっと失笑だろうな』と思うようなものもインスピレーションして書いていくんです。そうしないと安心しないんですよね……」

華恵「思い出深いトークの下書きのページってありますか？」

新里「そうですね〜。例えば2014年のホールツアーのコンセプトはこういう風に作っていこうというものをまず書きます。そこから1曲目を考えたりとか。あとライブの構成を考えるのが好きですね。後ろの照明やメンバーの動きも書いていきますね。（ページを見ながら）なんじゃこれ……」

華恵「女の子の裸の後ろ姿（笑）。その隣に花が描いてありますが」

新里「ハハハハハ！　こんなの描いてたんだ」

華恵「頭の中がそのまんま出てる感じですね（笑）。トークだけじゃなくて、歌詞も書かれたノートということですけど、みんなが知っている曲の歌詞もあるんでしょうか？」

新里「『お義父さんと呼ばせて』というドラマのオープニングテーマで使われた『極愛（ごくあい）』は、台本を読んでそこから書き上げていった曲で。台本を読んでそのまま歌詞を書いてもただの作文になってしまうので、HYらしい、自分らしい思いを残したいなと思いながら書いていきました。僕は『極愛』というタイトルにインパクトがあると思うんです。“究極の愛”ってことなんですが、僕はいつ究極の愛を経験したかな？と振り返ると、中学高校の多感な時。心から本気で人を好きになった瞬間って世界がまったく変わって、誰にも止められないと思うんですよ。それは片思いであっても両思いであっても。人には言えない愛も世の中にはたくさんあると思う。止められない衝動は心から揺れ動いてるものなので、ピュアで純粋。だから大切にして欲しいし、言わずにいるよりは伝えて欲しい。この曲はそういうきっかけになって欲しいですね」

華恵「この曲を好きな方はたくさんいると思うんですけど、私、どうしても躊躇してしまうんですよ、HYの曲を聴くのを……。というのも、素直に曲に入りすぎてしまって、何も手に付かなくなってしまうんです（笑）」

新里「HYってド・ストレートですよね。『好き』っていう言葉も、他のカッコいいバンドだったら遠回しに繊細な言葉をチョイスしていくと思うんですけど、僕らはそれができなくて。ストレートにまっすぐにしか言えない。だから聴いてくれるみんなは、自分たちがなかなか言えない気持ちをHYが歌詞にしてくれるから好きだと言ってくれるんです。嬉しいですね」

華恵「ストレートな気持ちを言えてなかった自分にも気づかされたりしますしね」

エッセイストの華恵がお届けする「エイピーピー・ジャパン presents LOVE TREES〜未来への杜〜」。6月24日のゲストは、数々の映画音楽を手掛けている音楽家、岩代太郎さんをお迎えしてお届けします。

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＜番組概要＞

番組名：「エイピーピー・ジャパン presents LOVE TREES〜未来への杜〜」

放送日時：毎週金曜16:30〜16:54

パーソナリティ：華恵