【群馬展望】関東で最も勢いのある群馬県は前橋育英、樹徳、健大高崎、桐生第一の4強が中心か?
今、関東で最も勢いのある県はどこかと言えば群馬県だろう。2012年〜2015年からの4年間は選抜、選手権のどちらかで必ずベスト8以上に入っている。今年の関東大会では前橋育英が横浜を破って優勝と、改めて強さを見せつけた。どの学校も実力があり、何より相手に動じない勢いある試合運びが目立つ。それだけに、この夏もかなり激しい争いが繰り広げられることは間違いない。そんな今年の群馬県の注目校を紹介していきたい。
佐藤 優人(前橋育英)
群馬県は実力校が非常に多い。その中でも県大会優勝・関東大会優勝の前橋育英はタレント揃いだ。関東大会の戦いを振り返ると、初戦の青藍泰斗は最速146キロ右腕・石川 翔(2年)、145キロ右腕・板垣 理音(りお・3年)を攻略し、コールド勝ち。準々決勝では花咲徳栄に逆転勝利。準決勝では2年生右腕・皆川 喬涼が好投を見せ、1安打完封。さらに打線も奮起し、コールド勝ち。そして決勝では横浜の好左腕・石川 達也を攻略して見事に優勝を勝ち取った。
コールド勝ち2試合、逆転勝利1試合、そして強豪・横浜の攻撃に屈せず、5対1で勝利と、文句なしの試合内容だった。この4試合、3人の投手が先発している。2回戦と決勝が、エースの佐藤 優人、準々決勝は吉澤 悠(2年)、準決勝は皆川と3投手が好投。さらに191センチ右腕・根岸 崇裕(2年)も2回戦で登板しており、投手層は非常に厚い。打線では、県大会で3試合連続本塁打を放ち、関東大会では青藍泰斗戦で本塁打、さらに決勝戦で適時打を放った飯島 大夢(2年)、走攻守でチームを引っ張りショートストップで主将の小川 龍成(3年)、強肩、抜群のインサイドワーク、ナイススマイルで投手陣を引っ張る森田 健斗(3年)。
それ以外にも好野手が多く揃い、総合力は2013年夏の甲子園優勝を果たしたチームと変わりない。
[page_break:健大高崎、樹徳など前橋育英を追う強豪たちの活躍も見逃せない]健大高崎、樹徳など前橋育英を追う強豪たちの活躍も見逃せない宮本 隆寛 (健大高崎)
県大会準優勝の健大高崎は、関東大会で横浜相手に好投を見せた石毛 力斗、宮本 隆寛 、湯浅 大(2年)の俊足の1,2番コンビが脅威。2014年から3年連続の夏の甲子園出場を目指す健大高崎にとって、横浜と接戦を演じたことは、収穫が残る一戦だった。それだけに夏、どうチームを仕上げていくか楽しみである。今のところこの2チームが今年の群馬の2強だろう。
この2強を追うのは秋優勝の樹徳、選抜出場の桐生第一だろう。樹徳は強肩強打の大型捕手・嶋田 翔を中心とした守りのチーム。2年生左腕・小寺 怜弥など他の投手陣がどこまでレベルアップできるか。桐生第一は、左の本格派・内池 翔、右アンダースローの青木 快人、本格派右腕・金田 海都の3人が中心だが、内池が復調できると再び勝ち上がれるチームとなっていくだろう。打線では好打者、追川 恵太、攻守でバランスが取れた鏑木 風雅など左の好打者が揃った布陣となっている。
ベスト4の前橋工はスラッガー中林 幹弥の打撃に注目。投手ではのらりくらりとした投球で抑え込む左腕・八野田 龍司がどれだけ安定感を高めることができるか。関東大会では八野田を含め4人の左腕投手が登板したが、継投策で乗り切って勝ち上がりそうだ。前橋も、しぶとい戦いに加えて、さらに個々の力を高めていきたいところだ。
またこの春、桐生第一を破った高崎経大附は、長打力のある竹中 鉄平、俊足の團野 将太といった能力のある選手が揃う。私学に負けない戦いを目指してきた同校は台風の目となるか。また伝統校の高崎商は、左の好打者・松本 健太郎のバットコントロールに注目。同じく伝統校の前橋商では昨年から活躍してきた左の好打者・小林 圭介に注目だ。
そして最後に注目なのが利根商。130キロを超える速球を投げ込む木村 直斗(2年)や、主将で4番を打つ荒川 比呂希の活躍に期待だ。現在、関東で最も勢いのある群馬県。6月17日に抽選が行われる。
(文・河嶋 宗一)
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