ネガティブな子どもをつくる親の言動
もしも、「あなたは自分のことが好きですか?」とストレートに聞かれたとして、あなたは「好きです」と答える自信があるだろうか。
また、「日本の子どもは他の先進諸国に比べて、自己肯定感が低い」ということがよく言われるが、なぜそのような状況に陥ってしまったのだろうか。
『夢を叶える! 0.1秒で人は変われる!』(しちだ・教育研究所/刊)の著者、尾崎さんの実体験をもとに、子どもが健全に自尊感情を育む上で、本人ができること、周囲の大人がやってはいけないことなどを聞いた。
――尾崎さんのもとを訪れる人に、いつもまず伝えることはどのようなことなのでしょうか。
尾崎:「自分を好きになりましょう」ということですね。インタビューの中編でお話した「我が子を愛せない母親」の例にも言えることですが、「悩み」の原因を突き詰めていくと「自分嫌い」という問題に行き着くことが少なくありません。
つまり、この問題を解決しさえすれば、かなりの悩みを解消できるということが経験的に分かっているのです。
――自分を嫌いになってしまう原因として、どのようなものがあるのでしょうか。
尾崎:「自己批判」ですね。子ども時代、周りが自分を否定的に扱うと、たえず自分を責め続ける、自己批判の状態に陥ってしまいます。
たとえば、子どものころ太っていたとしても、周りに「かわいいね」と言われながら育てば、劣等感は生まれません。
つまり、価値がある存在として大事にされれば、自分を愛せるようになる。その逆も然りです。
――その意味でいうと、尾崎さん自身は、子ども時代、周囲の人からどのように扱われていたと思いますか。
尾崎:「あんたは暗い人間や」と言われながら育ちました。つまり、「価値がない存在」として扱われていた。
その影響か、小学校五年生くらいまで、人とまったく喋れませんでした。「自分は本当に暗くて、価値のない人間なんだ」と思い込んでいたのです。でも、あることがきっかけで、その思い込みを手放すことができました。
――そのきっかけとは、どのようなものだったのですか。
尾崎:当時の私は友だちが全くいなかったのですが、それでもというか、それだからこそ夢中になれることがありました。書道です。「一人でできるもの」ということもあり、小学校一年生のときに習い始めて以来、唯一、私の「好きなこと」であり続けました。
小学校六年生のとき、書道の授業である課題が与えられました。その課題に沿って、「無記名で」書をしたため、最終的に皆で投票し合って優秀作品を選ぶことになったのです。
誰が書いたものか分からない状態での投票だったこともあり、結果的に私の作品が一位に選ばれました。それは自分にとって、生まれて初めて「存在価値を認められた日」になりました。
簡単にいえば、それが自信になって自分の心持ちが変わり始め、それまでの思い込みを手放せるようになっていったのです。すると面白いもので、自分の変化に合わせるかのように、周りの接し方も変わっていきました。
――最後になりますが、読者の皆様へメッセージをお願いします。
尾崎:私がセラピストとして皆さんにお伝えしたいのは、何かを学びましょう、何かを変えましょうということではありません。「本当の自分に還(かえ)りましょう」という、その一点だけです。元々、無限の可能性を持って生まれてきた、あのころの自分に還っていただく。本書がそのためのヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。
(新刊JP編集部)
また、「日本の子どもは他の先進諸国に比べて、自己肯定感が低い」ということがよく言われるが、なぜそのような状況に陥ってしまったのだろうか。
『夢を叶える! 0.1秒で人は変われる!』(しちだ・教育研究所/刊)の著者、尾崎さんの実体験をもとに、子どもが健全に自尊感情を育む上で、本人ができること、周囲の大人がやってはいけないことなどを聞いた。
――尾崎さんのもとを訪れる人に、いつもまず伝えることはどのようなことなのでしょうか。
つまり、この問題を解決しさえすれば、かなりの悩みを解消できるということが経験的に分かっているのです。
――自分を嫌いになってしまう原因として、どのようなものがあるのでしょうか。
尾崎:「自己批判」ですね。子ども時代、周りが自分を否定的に扱うと、たえず自分を責め続ける、自己批判の状態に陥ってしまいます。
たとえば、子どものころ太っていたとしても、周りに「かわいいね」と言われながら育てば、劣等感は生まれません。
つまり、価値がある存在として大事にされれば、自分を愛せるようになる。その逆も然りです。
――その意味でいうと、尾崎さん自身は、子ども時代、周囲の人からどのように扱われていたと思いますか。
尾崎:「あんたは暗い人間や」と言われながら育ちました。つまり、「価値がない存在」として扱われていた。
その影響か、小学校五年生くらいまで、人とまったく喋れませんでした。「自分は本当に暗くて、価値のない人間なんだ」と思い込んでいたのです。でも、あることがきっかけで、その思い込みを手放すことができました。
――そのきっかけとは、どのようなものだったのですか。
尾崎:当時の私は友だちが全くいなかったのですが、それでもというか、それだからこそ夢中になれることがありました。書道です。「一人でできるもの」ということもあり、小学校一年生のときに習い始めて以来、唯一、私の「好きなこと」であり続けました。
小学校六年生のとき、書道の授業である課題が与えられました。その課題に沿って、「無記名で」書をしたため、最終的に皆で投票し合って優秀作品を選ぶことになったのです。
誰が書いたものか分からない状態での投票だったこともあり、結果的に私の作品が一位に選ばれました。それは自分にとって、生まれて初めて「存在価値を認められた日」になりました。
簡単にいえば、それが自信になって自分の心持ちが変わり始め、それまでの思い込みを手放せるようになっていったのです。すると面白いもので、自分の変化に合わせるかのように、周りの接し方も変わっていきました。
――最後になりますが、読者の皆様へメッセージをお願いします。
尾崎:私がセラピストとして皆さんにお伝えしたいのは、何かを学びましょう、何かを変えましょうということではありません。「本当の自分に還(かえ)りましょう」という、その一点だけです。元々、無限の可能性を持って生まれてきた、あのころの自分に還っていただく。本書がそのためのヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。
(新刊JP編集部)