開幕前にレスター・シティのリーグ優勝に20ポンド(約3200円)を賭けたサポーターが、10万ポンド(約1620万円)の当選金を諦め、2万9000ポンド(約470万円)を受け取ると決めた。『ESPN』が報じている。

59歳のジョン・プライクさんは、開幕前にレスター優勝に20ポンドを賭けた。倍率は5000対1。優勝すれば10万ポンドを得られる。レスターは昨季、辛うじて1部残留を決めたチームだ。

だが、FW岡崎慎司が加入したレスターは今季、周囲の予想を裏切って快進撃。シーズンも終盤に差し掛かる3月を迎えて首位に立っている。

ブックメーカー「ラッドブロークス」は、損害を抑えるために、レスター優勝に賭けたファンたちに“取引”を申し出た。結果が出る前に一定の金額を受け取り、優勝した場合の当選金を断念するというオファーだ。

プライクさんは3月に入る前、「ラッドブロークス」に“取引”について尋ねたところ、受け取ることができるのは1万6000ポンド(約260万円)という回答を受け、応じないことに決めた。だが、1日のウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン戦後、「ラッドブロークス」から条件を2万9000ポンドに上げると持ちかけられたそうだ。

「20ポンド賭けて2万9000ポンドを手にするのは悪くない。でも、何も得られなかった自分に腹を立てただろう。私は残りのシーズンでレスターを見るのを楽しみたいんだ。金なんかで楽しみを邪魔されたくない」

「レスターが優勝しても、ちっとも怒ったりしないよ。優勝してほしいんだ。実現したら、私は自分が好きなチームがトロフィーを掲げるところを見て、さらに2万9000ポンドを手に入れる。悪くないだろう?」

『ESPN』によると、プライクさんの決断を受け、50ポンド(約8100円)を賭けていたファン(匿名希望)も“取引”に応じることを決めたそうだ。25万ポンド(約4050万円)の当選金を断念し、7万2000ポンド(約1170万円)を受け取るという。