「ネットに書くぞ!」と恫喝 悪質クレーマーへの対処は?
仕事をするうえで多くの人が悩まされているのが「クレーム」だ。
消費者からの意見と捉えると無下にできないが、なかには何らかの金品を得ることが目的の悪質なクレーマーもいる。そのようなクレーマーに、たとえば「社長を出せ!」「ネットに書くぞ」と詰め寄られたら、あなたはどう対応するだろうか。
ここでは『理不尽な要求を黙らせる 最強のクレーム対処術』(紀藤正樹監修/神宮館発行)から、悪質なクレーマーの常套的なやり方と、それに対する対処法を紹介する。
■「社長を出せ!」と言われたら……
悪質クレーマーに応対して話がなかなかまとまらずにいると、「お前じゃラチがあかないから社長を連れてこい!」「上司を出せ!」という展開になることが多々ある。
この時に対応者が気をつけなければいけないのは、クレーマーは必ずしも本当に社長や上司を出してほしいとは思っていないということ。実際には相手に圧力をかけるための方便として「社長を出せ」と言うケースが多いのだ。
こういった場合、言われた通りに(社長はさすがに無理だろうが)「上司」を呼んでしまうのはNG。これでは要求に屈してしまったことになり、相手を増長させ、クレームを増幅させてしまいかねない。
悪質なクレーマー相手には「拒否」の姿勢で臨むのが鉄則だ。つまりここでは「この件の担当者は自分であり、自分が対応する以外の選択肢はない」ことを冷静にクレーマーに伝えることが重要。これを伝えるだけで、悪質クレーマーへのけん制になる。
■「ネットに書き込むぞ!いいのか!?」への切り返し方は?
このご時世、自社がネットで炎上するのはどんな会社でも避けたいところ。悪質なクレーマーはそんな企業心理を熟知している。
そこで「ネットに書き込むぞ!」という脅し文句が生まれるわけだが、こうした脅し文句には毅然とした態度で臨むと同時に、開き直って受け流すことも重要だ。
「ネットに書き込むのはお客様のご自由ですが、内容によりましては私どもも、それなりの対応をとらせていただくことになりますので、ひと言申し上げておきます」と返せば、それ以上相手にできることはない。捨てゼリフでも吐いて去っていくだけだろう。
これは「訴えてやる!」「消費者相談センターに持ち込むからな!」という脅し文句に対しても同様だ。
■「土下座しろ!」には絶対に屈しない
2014年にコンビニエンスストアの客が店のオーナーなどにクレームをつけ、土下座を強要した事件は記憶に新しい。こうした客は検討の余地なく「悪質なクレーマー」だ。もちろん本当に土下座をしようものなら相手を勢いづけ、要求はエスカレートするだろう。
こんなケースの対応は、相手のしていることを客観的に伝えることだ。「土下座を要求なさるのは強要罪ということになりますが、よろしいのですか?」と土下座を強要することが違法行為にあたることを指摘すれば、さらに強要することはできないはずだ。クレーマーとしては店員を脅して金品を取れればしめたもの。警察沙汰や裁判沙汰など望んでいない。
本書では、様々な事例に即して、悪質クレーマ―に対する具体的な対処術が示されている。
クレームには誠心誠意対応すべきだが、悪質なクレーマーもまた一定数存在していることも忘れるべきではない。「耳を傾けるべきクレーム」を謙虚に受け止めるためにも、ビジネスに携わる者はクレーマーへの正しい対処術を学び、現場に即した臨機応変な対応を身につけておくべきではないかと思う。
(新刊JP編集部)
消費者からの意見と捉えると無下にできないが、なかには何らかの金品を得ることが目的の悪質なクレーマーもいる。そのようなクレーマーに、たとえば「社長を出せ!」「ネットに書くぞ」と詰め寄られたら、あなたはどう対応するだろうか。
ここでは『理不尽な要求を黙らせる 最強のクレーム対処術』(紀藤正樹監修/神宮館発行)から、悪質なクレーマーの常套的なやり方と、それに対する対処法を紹介する。
悪質クレーマーに応対して話がなかなかまとまらずにいると、「お前じゃラチがあかないから社長を連れてこい!」「上司を出せ!」という展開になることが多々ある。
この時に対応者が気をつけなければいけないのは、クレーマーは必ずしも本当に社長や上司を出してほしいとは思っていないということ。実際には相手に圧力をかけるための方便として「社長を出せ」と言うケースが多いのだ。
こういった場合、言われた通りに(社長はさすがに無理だろうが)「上司」を呼んでしまうのはNG。これでは要求に屈してしまったことになり、相手を増長させ、クレームを増幅させてしまいかねない。
悪質なクレーマー相手には「拒否」の姿勢で臨むのが鉄則だ。つまりここでは「この件の担当者は自分であり、自分が対応する以外の選択肢はない」ことを冷静にクレーマーに伝えることが重要。これを伝えるだけで、悪質クレーマーへのけん制になる。
■「ネットに書き込むぞ!いいのか!?」への切り返し方は?
このご時世、自社がネットで炎上するのはどんな会社でも避けたいところ。悪質なクレーマーはそんな企業心理を熟知している。
そこで「ネットに書き込むぞ!」という脅し文句が生まれるわけだが、こうした脅し文句には毅然とした態度で臨むと同時に、開き直って受け流すことも重要だ。
「ネットに書き込むのはお客様のご自由ですが、内容によりましては私どもも、それなりの対応をとらせていただくことになりますので、ひと言申し上げておきます」と返せば、それ以上相手にできることはない。捨てゼリフでも吐いて去っていくだけだろう。
これは「訴えてやる!」「消費者相談センターに持ち込むからな!」という脅し文句に対しても同様だ。
■「土下座しろ!」には絶対に屈しない
2014年にコンビニエンスストアの客が店のオーナーなどにクレームをつけ、土下座を強要した事件は記憶に新しい。こうした客は検討の余地なく「悪質なクレーマー」だ。もちろん本当に土下座をしようものなら相手を勢いづけ、要求はエスカレートするだろう。
こんなケースの対応は、相手のしていることを客観的に伝えることだ。「土下座を要求なさるのは強要罪ということになりますが、よろしいのですか?」と土下座を強要することが違法行為にあたることを指摘すれば、さらに強要することはできないはずだ。クレーマーとしては店員を脅して金品を取れればしめたもの。警察沙汰や裁判沙汰など望んでいない。
本書では、様々な事例に即して、悪質クレーマ―に対する具体的な対処術が示されている。
クレームには誠心誠意対応すべきだが、悪質なクレーマーもまた一定数存在していることも忘れるべきではない。「耳を傾けるべきクレーム」を謙虚に受け止めるためにも、ビジネスに携わる者はクレーマーへの正しい対処術を学び、現場に即した臨機応変な対応を身につけておくべきではないかと思う。
(新刊JP編集部)