60歳・資産1億円は一般人にも可能か?
年金が心もとない今、若いうちから将来のための資金を準備しておくことは必須!
そのために身につけておきたいのが資産運用や投資といった、自分のお金を守り、育てるための知識ですが、経験のない人からしたら、そもそも何をどうすればいいかわからないはずです。
そんな人に向けて『日本人だけが知らない「がんばらない」投資法ほったらかしでも1億円貯まる!』(二見書房刊)の著者で投資家の中井俊憲さんはこんな目標を与えてくれます。
「1億円の資産を年利5%〜7%で運用する」
これは誰にでも可能なのでしょうか?今回は中井さんご本人にお話をうかがいました。
――『日本人だけが知らない「がんばらない」投資法ほったらかしでも1億円貯まる!』についてお話をうかがえればと思います。読んだ感想として、日本人のお金に対する意識は世界の中でもかなり特殊なんだなというのがありました。中井さんは現在シンガポールで活動されているとのことですが、現地の人と日本人とではお金に対してどのような考え方の違いがありますか?
中井:大きな違いとして、シンガポールの人はお金の話をするのが好きですよね。
日本人はお金の話をするのにあまりオープンではないというか、そういう話は下品ではしたないものだという意識があるじゃないですか。でも向こうの人は初対面でも「家賃いくら?」とか「給料いくら?」とか普通のコミュニケーションとして聞いたりします。
――タイトルを見てまず目につくのが「がんばらない」という言葉です。この「がんばらない」はどんな状態を指すのでしょうか?
中井:だいたい「何か投資を始めよう」となると、FXや株に目が行く方が多いのですが、FXにしても株にしても、プロのトレーダーでも勝ち続けるのは難しい世界で、初心者の方がちょっと勉強したくらいで勝てるものではありません。稼ごうと思ったら相当勉強する必要があります。
そして、勉強して知識を得て投資にのめり込むようになると、今度は一日中チャートの値動きが気になって仕方がなくなります。こうなると仕事どころではないですし、すごく労力を奪われることになる。
この本でいう「がんばらない」とは、そうやってあくせくチャートを見たり、細かいトレードを繰り返したりしないということです。じっくりと、着実に資産を育てていく方法を書いているのですが、それはある程度放っておいても可能なんです。
――中井さんの方法ですと、一日のうち投資にかける時間はどれくらいを想定していますか?
中井:極端な話、ゼロでもいいと思っています。投資を始める時の手続きをするのに時間は必要ですが、その後は月に1回チェックするくらいなので「一日何分」という話でもない。そのくらい「がんばらない」投資法です。
この本で紹介している投資法も、毎日チャートを見て値動きをチェックして、というようなものではありません。投資先を選んだら基本的には放っておくというスタイルです。
――「日本人の40人に1人が1億円以上の資産を持っている」という箇所は驚きでした。投資になじみがない人が今から始めて1億円の資産を築くことは可能なのでしょうか。
中井:できると思いますね。全員が全員とは言いませんが、今30歳の人が60歳までに、というように20年とか30年の時間をかければ十分可能だと思っています。
――最初に元手となるお金はどれくらい必要でしょうか。
中井:資産を1億円作るとなると、最低でも100万円くらいは必要ではないでしょうか。もし1000万円あればもっと早く安全に辿り着きます。ただ、遊び感覚といいますか、経験としてちょっとやってみるだけなら10万円でもできると思いますが。
――FXは不思議と人気があります。リスクの高いことはやる方もわかっているはずですが、なぜこうした投資が人をひきつけるのでしょうか。
中井:これはもうギャンブルと同じだと思います。てっとり早く儲かる(かもしれない)ということで、本人にそのつもりはなくても実際にやっていることは「ちょっと知的なギャンブル」です。熱くなって感情的になった時、または気を抜いていた隙に大負けするんです。
ただ、こういった投資は始めた時にいくらか儲かることはあっても、5年、10年と稼ぎ続けるのは本当に難しいことです。まして老後に備えてまとまった資産を作るというのは、素人ではまず不可能ではないでしょうか。
2015年に「スイスフラン・ショック」というのがありましたが、FXは何年かに一度、相場が激しく動くことがあります。プロのトレーダーチームは複数の通貨ペアで資金を分散させていますから、ある通貨の値動きがおかしくても他の通貨でリスクを吸収できますが、素人の場合はそうはいきません。まして、相場が動いている時に仕事中だったら対応できないわけですから。僕の知人は会社員で、会議中のたった2時間で300万円失ったと言っていました。2時間で年収が消えてしまったと。為す術がなかったそうです。
もちろん、きちんと勉強して、投資そのものへのリスクだけでなく恐怖心といった「感情」までもをすべてコントロールできるのならFXで稼ぎ続けることも可能なのかもしれません。でも、そこまでになるともう「素人」とは呼べないですよね。
(後編につづく)
そのために身につけておきたいのが資産運用や投資といった、自分のお金を守り、育てるための知識ですが、経験のない人からしたら、そもそも何をどうすればいいかわからないはずです。
そんな人に向けて『日本人だけが知らない「がんばらない」投資法ほったらかしでも1億円貯まる!』(二見書房刊)の著者で投資家の中井俊憲さんはこんな目標を与えてくれます。
これは誰にでも可能なのでしょうか?今回は中井さんご本人にお話をうかがいました。
――『日本人だけが知らない「がんばらない」投資法ほったらかしでも1億円貯まる!』についてお話をうかがえればと思います。読んだ感想として、日本人のお金に対する意識は世界の中でもかなり特殊なんだなというのがありました。中井さんは現在シンガポールで活動されているとのことですが、現地の人と日本人とではお金に対してどのような考え方の違いがありますか?
中井:大きな違いとして、シンガポールの人はお金の話をするのが好きですよね。
日本人はお金の話をするのにあまりオープンではないというか、そういう話は下品ではしたないものだという意識があるじゃないですか。でも向こうの人は初対面でも「家賃いくら?」とか「給料いくら?」とか普通のコミュニケーションとして聞いたりします。
――タイトルを見てまず目につくのが「がんばらない」という言葉です。この「がんばらない」はどんな状態を指すのでしょうか?
中井:だいたい「何か投資を始めよう」となると、FXや株に目が行く方が多いのですが、FXにしても株にしても、プロのトレーダーでも勝ち続けるのは難しい世界で、初心者の方がちょっと勉強したくらいで勝てるものではありません。稼ごうと思ったら相当勉強する必要があります。
そして、勉強して知識を得て投資にのめり込むようになると、今度は一日中チャートの値動きが気になって仕方がなくなります。こうなると仕事どころではないですし、すごく労力を奪われることになる。
この本でいう「がんばらない」とは、そうやってあくせくチャートを見たり、細かいトレードを繰り返したりしないということです。じっくりと、着実に資産を育てていく方法を書いているのですが、それはある程度放っておいても可能なんです。
――中井さんの方法ですと、一日のうち投資にかける時間はどれくらいを想定していますか?
中井:極端な話、ゼロでもいいと思っています。投資を始める時の手続きをするのに時間は必要ですが、その後は月に1回チェックするくらいなので「一日何分」という話でもない。そのくらい「がんばらない」投資法です。
この本で紹介している投資法も、毎日チャートを見て値動きをチェックして、というようなものではありません。投資先を選んだら基本的には放っておくというスタイルです。
――「日本人の40人に1人が1億円以上の資産を持っている」という箇所は驚きでした。投資になじみがない人が今から始めて1億円の資産を築くことは可能なのでしょうか。
中井:できると思いますね。全員が全員とは言いませんが、今30歳の人が60歳までに、というように20年とか30年の時間をかければ十分可能だと思っています。
――最初に元手となるお金はどれくらい必要でしょうか。
中井:資産を1億円作るとなると、最低でも100万円くらいは必要ではないでしょうか。もし1000万円あればもっと早く安全に辿り着きます。ただ、遊び感覚といいますか、経験としてちょっとやってみるだけなら10万円でもできると思いますが。
――FXは不思議と人気があります。リスクの高いことはやる方もわかっているはずですが、なぜこうした投資が人をひきつけるのでしょうか。
中井:これはもうギャンブルと同じだと思います。てっとり早く儲かる(かもしれない)ということで、本人にそのつもりはなくても実際にやっていることは「ちょっと知的なギャンブル」です。熱くなって感情的になった時、または気を抜いていた隙に大負けするんです。
ただ、こういった投資は始めた時にいくらか儲かることはあっても、5年、10年と稼ぎ続けるのは本当に難しいことです。まして老後に備えてまとまった資産を作るというのは、素人ではまず不可能ではないでしょうか。
2015年に「スイスフラン・ショック」というのがありましたが、FXは何年かに一度、相場が激しく動くことがあります。プロのトレーダーチームは複数の通貨ペアで資金を分散させていますから、ある通貨の値動きがおかしくても他の通貨でリスクを吸収できますが、素人の場合はそうはいきません。まして、相場が動いている時に仕事中だったら対応できないわけですから。僕の知人は会社員で、会議中のたった2時間で300万円失ったと言っていました。2時間で年収が消えてしまったと。為す術がなかったそうです。
もちろん、きちんと勉強して、投資そのものへのリスクだけでなく恐怖心といった「感情」までもをすべてコントロールできるのならFXで稼ぎ続けることも可能なのかもしれません。でも、そこまでになるともう「素人」とは呼べないですよね。
(後編につづく)