ジャイアンツのマディソン・バムガーナー【写真:田口有史】

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1点を追う9回に代打出場、指揮官「ベンチにいるどの選手よりもホームランを打っている」

 青木宣親外野手の所属するジャイアンツのマディソン・バムガーナー投手が、2試合連続で代打で起用された。ピッチャーながら衝撃的な長打力の持ち主としても有名なエース左腕だが、勝負所の終盤で打席に送られ、大きな話題となっている。

 19日(日本時間20日)、敵地ブッシュ・スタジアムで迎えたカージナルス戦。3−4と1点を追う9回2死走者なしの場面で、名将ブルース・ボウチー監督は中継ぎ右腕コントスの打順で代打バムガーナーを起用した。

 昨年のワールドシリーズでは圧巻のピッチングでロイヤルズをねじ伏せ、シリーズMVPに輝いていた剛腕は、1ボール2ストライクと追い込まれてから相手守護神ローゼンタールの4球目を空振り。三振に倒れ、ゲームセットとなった。

 試合後、ボウチー監督はエースの代打起用について説明。地元紙サンノゼ・マーキュリーのカール・スチュワード記者は、ツイッターで「ベンチにいるどの選手よりもホームランを打っている。それが狙いだった」という名将の談話を紹介している。今季序盤に指名打者での起用を真剣に考えたというボウチー監督は、バムガーナーの一発で同点に追いつくチャンスにかけたようだ。

長打率は驚異の4割9分1厘、スター捕手のポージーよりも上

 5年間で3度のワールドシリーズ制覇を誇る強豪のエースは、前日18日のカージナルス戦で初めて代打起用された。主砲ハンター・ペンスは腹斜筋の痛みで離脱し、青木は脳震盪で7日間の故障者リスト入り。アンヘル・パガンも故障離脱中と外野のレギュラートリオがいない苦しいチーム状況の中、7回2死の場面で代打で登場。左中間にヒットを見事に放っている。そこから値千金の2点目が生まれ、2−0での勝利に貢献していた。

 バムガーナーは今季24試合に先発し、14勝6敗、防御率2.98とチームの勝ち頭となっている。一方、打席でも55打席14安打4本塁打。打率2割5分5厘で、長打率は4割9分1厘をたたき出している。打席数が大幅に違うとはいえ、50打席以上立っている打者で、バムガーナーよりも高い長打率を叩き出しているのは同4割9分6厘のブランドン・クロフォード内野手のみ。オールスター捕手のバスター・ポージー(同4割8分7厘)をも上回っている(リードオフマンの青木は同3割8分7厘)。

 日本では日本ハムの大谷翔平投手も二刀流として活躍しているが、最近は代打での出場が中心となっている。メジャーで大谷のように投打でインパクトを残しているスーパーエースの活躍には大きな注目が集まっている。