? この先、最低でも50年はないであろう五輪という機会
?新宿・渋谷からも徒歩圏という奇跡的な立地
?世界最大規模の都市のランドマークとしての意味合い

こうした特別な条件を鑑みるならば、2500億なのか3000億なのかはともかくとして、考えられる中での一番「エエもの」を求めるのは当然。世界最高額規模のスタジアムでは、NFLニューヨーク・ジャイアンツらのホームスタジアムであるメットライフスタジアム(16億ドル/現在のレートで1982億円)、MLBニューヨーク・ヤンキースのホームグラウンドであるヤンキー・スタジアム(15億ドル/現在のレートで1858億円)などがありますが、それくらいになるのは仕方ない、そのくらいの計画を建てても何ら不思議はない機会なのです。

建設費を削ることが目的になれば、本当に求めていたものを見失いかねません。安いのにも高いのにもそれなりの理由はあり、予算を減らすには何かを止めるしかないのです。換骨奪胎して予算さえ削ればそれでOKというのでは本末転倒。2002年ワールドカップで日本の各地の空き地に建てられた遠くて使いづらいスタジアム群の二の舞です。金をケチるのではなく、本当に必要なものを適正額で買う。今回、計画を見直すということであれば、「適正さ」の見直しの機会と考えてもらいたいもの。

スポーツを愛する都民として願うのは、多くのアスリート・音楽家・イベンターそして観衆に愛され、50年・100年後まで多くの人が集う会場が生まれることだけ。予算のことはいつか忘れますが、使いづらくガラガラの安普請はそばを通るたびに嫌な気持ちにさせるものです。この機会にふさわしいスタジアムを、適正な額で建てるということなら、その費用負担にも喜んで応じましょう。そのスタジアムは、僕もこれから、頻繁に通うことになるだろう場所なのですから。

(文=フモフモ編集長 http://blog.livedoor.jp/vitaminw/)