17日、日本テレビ「NEWS ZERO」では「6年間"記録"更新できず 入江陵介(25)が直面する壁」と題し、今月行われた競泳日本選手権で9連覇を達成した入江に行ったインタビューの模様を放送した。

入江といえば、日本競泳界が誇る背泳ぎのスペシャリストで、2009年の世界選手権男子200m背泳ぎでは当時の日本記録を2秒以上も更新する1分52秒51という記録を叩き出した。

だが、当時は高速水着の全盛期でもあり、記録よりも水着の性能ばかりに注目が集まっていた。番組のカメラに、「今後タイムを伸ばす意味がなんなのか。自分自身が評価されなくて水着だけが評価される世界になってたので正直嫌な気持ちはすごいありました」と振り返った入江。その後、高速水着は禁止になるも、自身の日本記録は残るという不条理な顛末に悩まされることになる。

迎えた2012年のロンドン五輪では銀メダルを獲得するが、自身が持つ日本記録からは1秒以上遅く、翌年の世界選手権もまた彼の成績は振るわなかった。

すると入江は今年3月のフランス合宿でフォームの改善を決断した。「深過ぎない位置で(水を)かいて、うまくピッチを上げる」というものだが、腕の回転数を増やせば必ずしもタイムが上がるわけではない。浅いところをかけば当然腕で水を捉える量は減り、推進力は下がることにもなるからだ。

前述した日本選手権では圧倒的な強さを見せるも、そのタイムは日本記録から2秒以上も差があった。「スピードを上げるために浅すぎたり、水を捉えることができないまま、ひとかきでうまく進めてないなっていう感じはあったので自分がトレーニングをしてきたのはスピードを持久するようなトレーニング。その辺の自信をしっかり持っていれば日本新が出ると思う。出していきたいですし、出さなければいけない」。自らの記録に悩まされ続ける入江は改めて決意を述べた。