中東市場に参入のレアル、イスラム教徒に配慮しロゴから十字架外す

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 レアル・マドリードが、新スポンサーとしてアブダビ国立銀行(NBAD)と3年契約を結んだ。その際に、同クラブはイスラム教徒に配慮し、クラブのロゴから十字架を外していたことが明らかになった。26日付のイギリス紙『テレグラフ』など各紙が報じている。

 新たに発表されたロゴは、83年の歴史を持つこれまでの物とほぼ同じだが、中東でのマーケティングに際し、ムスリム(イスラム教徒)のファンが違和感を覚えないよう、一番上にあった小さな十字架が外されている。

 クラブの会長を務めるフロレンティーノ・ぺレス氏は、この契約を「世界で最も権威ある組織との戦略的提携」と主張している。これに対しスペイン紙の『マルカ』は、ヨーロッパでのロゴはこれまで通りとはいえ、新しい投資家やファンを獲得するために、自らの誇りをないがしろにしていると批判した。

 スペインのクラブが中東での投資を惹きつけるために、伝統を変えて批判を受けたのは、これが初めてではない。ライバルのバルセロナは、昨シーズン、113年に及ぶ伝統を破り、新たにスポンサーとなったカタール航空のロゴをユニフォームの胸部分にプリントした。それまで、バルセロナがユニフォームにつけていたロゴは、ユニセフのようなチャリティーのものだけで、スポンサーのロゴを付けたことはなかった。

 両クラブは、世界でも大きな力を持っているが、そんな彼らでも巨大なスポンサーの要求は受け入れざるを得ないのが現実だ。