ごく一般的に「コーヒーを淹れる」と言うと、挽いたコーヒー豆にお湯を注ぐことを指すことが多いのですが、お湯を使わずに水で時間をかけてゆっくりとコーヒーを抽出するという方法もあります。その起源は、品質の低い豆から飲みやすいコーヒーを淹れるための工夫だったそうで、戦前のオランダ領インドネシアで広まっていたことから現在でもダッチコーヒーと呼ばれており、その独特な口当たりと飲みやすさ、風味に魅せられる人も多く存在しています。

特にアイスコーヒーに向いていると言われるダッチコーヒーの作り方はいくつかありますが、今回は専用のコーヒーサーバーを使い、ポタポタ落ちる水の滴を眺めながらコーヒーができあがる様子を眺めてみることにしました。

ウォータードリップコーヒーサーバー | 耐熱ガラス食器のiwaki【イワキ】

https://www.igc.co.jp/product/water_drip_coffee_server/

今回はiwakiの「ウォータードリップコーヒーサーバー」(KT8644-CL:定価2200円)を使って水出しコーヒーを作ってみることにしました。この価格帯の水出しコーヒーサーバーと言えばコーヒー豆を水の中に浸すタイプが多いのですが、この機種は上から少量の水滴をぽたぽたと落としながら抽出するタイプとなっています。



まずはパッケージをオープン。透明の容器が3つと黒いフタ、そして取扱説明書がセットになっていました。



抽出したコーヒーを受けるポットはガラス製。4人分(440ml)の水出しコーヒーを作ることができます。



グッドデザイン賞の受賞と、耐熱ガラス認定を受けていることを示すシールが貼られていました。この容器を直接火にかけることはできませんが、抽出後に電子レンジで温めてホットコーヒーにすることも可能です。



容器はタイ製となっていました。



左はコーヒー豆を入れるための容器、そして右は本体の一番上にセットする水タンクです。



水タンクの底部分には直径1ミリに満たない小さな穴が1個開けられています。



コーヒー豆を入れる容器の底には非常に細かいフィルターがセットされています。



フタは2分割構造となっていました。



水出しコーヒーには、深めに煎って中細挽き〜細挽きされた豆が適していると言われています。今回は小川珈琲の有機珈琲オリジナルブレンドを使ってみました。



まずは4杯分の適量となる40グラムの豆を用意。



容器にざざーっと注ぎ入れます。



取り扱い説明書に従い、抽出を始める前に40mlの水を豆にゆっくり回しかけて湿り気を与えます。マドラーなどを使って豆を優しくかき混ぜるのですが、底のフィルターを破らないように注意。



豆全体に湿り気がまわったら、上面を平らに整えて準備完了です。あまりギュッと押しつぶさないことがポイント。



豆の用意ができたらフィルターをガラスポットにセットし、上から水タンクを載せます。



抽出を始めます。440mlの水を用意して……



一気に水タンクにどばー。特に注ぐスピードに注意はいりません。



水をタンクに入れると、すぐに底から水がぽたぽたし始めました。



2〜3分もすると豆全体に水が浸透し、抽出された水出しコーヒーが底面からぽたぽた。



こんな感じで2時間かけてゆっくりと抽出を行います。



ぽたぽた落ちる水によってコーヒーが抽出される様子は以下のムービーから。コーヒーのしずくが作る波紋をボーッと眺めている時間は、何ともいえないリラックスするひとときでした。

ポタポタ落ちる水で作る「水出しコーヒー」を専用のコーヒーサーバーで作ってみました

約2時間かけて水出しコーヒーが完成。



水タンクにはまだ水が残っていますが、構造上すべての水が落ちるわけではないとのこと。



水サーバーなどを取り外すと、ほんのりとコーヒーの香りが漂いました。いい香りです。



光に透かしてみても濃いコーヒーとなっていることがわかります。



コップに注ぎ、仕上がり具合を味わってみます。



一口飲んでみると、まず非常にまろやかな口触りであることに気付きます。お湯で抽出したコーヒーのような「ガツン」とした感覚は全く無く、まるでミネラルウォーターを飲んでいるかのような食感。それでいて香りと味はちゃんとコーヒーになっているという、まさに水出しコーヒーの特徴そのものとなっています。少し「ぬるっ」とした感覚を覚えるのも水出しコーヒーならではといえそう。



同じ豆を使ってお湯で抽出した場合の味と比べてみることにしました。豆の品質が高いためか、お湯を注いだ時にできる豆のドームと泡がキレイに出ています。



両者を飲み比べてみました。水出しコーヒーに比べて右のホットコーヒーには強い香り、コク、苦み、酸味が感じられます。有り体に言えば「飲み慣れたいつものコーヒー」であるのですが、水出しコーヒーと飲み比べてみると「こんなにも苦みと酸味があったのか!」と実感させられるレベルで、人によってはパワーがありすぎて敬遠してしまうほど。一方の水出しコーヒーはホットコーヒーほどの力強さはありませんが、逆にいえばコーヒーの飲みやすくておいしい部分だけが抽出されていると言うこともできそう。いくらでもゴクゴクと飲めそうな仕上がりとなっています。



ミルクを入れてみました。まろやかさが増したおかげで、ホットコーヒーはこの状態が最も味のバランスがよさそう。それでも相変わらず一口飲むと「くぅ〜っ」と言いたくなるようなボリューム感があるのですが、一方の水出しコーヒーはさらに口当たりが「つるん」となって飲みやすさが増しています。



飲み終わってから感じたのは、水出しコーヒーの後味のさわやかさでした。ホットコーヒーは良くも悪くも口の中にコーヒーの風味が残るものですが、水出しコーヒーは「スッ」と味がひいて嫌な後味もなく、何杯でも飲んでしまえそうな口当たりの良さが印象的で、コーヒーの苦手な人でもおいしさを楽しめそうでした。

今回のレビューで使用した「iwaki ウォータードリップコーヒーサーバー」と「小川珈琲店 有機珈琲オリジナルブレンド」はamazonのオンラインショップで販売中。さらにコーヒーサーバーは8月18日までの夏休みセール期間中は20%オフとなっています。

Amazon.co.jp: iwaki ウォータードリップコーヒーサーバー 440ml K8644-CL: ホーム&キッチン



Amazon.co.jp: 小川珈琲店 有機珈琲オリジナルブレンド 粉 170g: 食品&飲料