梅雨本番!誰でもゲリラ豪雨をスマホで避けるアプリ「XRAIN」活用裏ワザ

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梅雨に入り、筆者の住む関東でもぱっとしない天気が続いている。通常の雨であれば傘など準備できるのだが、なかなか準備できないのが降るのか降らないのかわからないにわか雨やゲリラ豪雨である。

先日も上司が、「この天気、雨降りそうだよね」とつぶやいていたので、私はすかさず「あと20分ぐらいで降ると思います。そして1時間以内に止むでしょう」と伝えた。
そして、その予報はぴたりと的中したのだ。

私は気象予報士の資格を持っているわけではない。急な雨を予測できたのには、ある秘密がある。

●リアルタイム降雨状況が見られるXRAIN(XバンドMPレーダ)

このあと豪雨になりそうな自宅周辺の降雨状況が一目瞭然


それは、国土交通省が情報を提供している「XRAIN(XバンドMPレーダ)」というものを見ていたのだ。

このレーダを見ることで、ほぼ全国の降雨状況をリアルタイムで確認できる
さらに過去30分にさかのぼり、雨雲の移動を簡易アニメーションで確認できるため、近い未来の予報がしやすい。

このXRAINは、例えば「地下鉄に乗っているときに地上では雨が降っているか」の確認や、「雨が降ってきたけれども、雨宿りするべきか、どうか」といった判断をする際にとても便利である。
サイクリング中ににわか雨が降ってきても、XRAINの情報さえあれば、10分程度で止むからコンビニの軒先で雨宿りしようといった一次待避ができるが、レーダ情報が無い状態では、いつ止むかわからないので空を見上げながら、もやもやした気持ちで待ち続けたり、雨宿りのタイミングを見失ったりすることになる。

●Xバンドは弾道ミサイル防衛システムでも使われている
XRAINで利用されている「XバンドMPレーダ」というのは、250m四方の情報を1分周期で更新し、雨が降っているか、降っているならばどの程度なのか、というものを提供してくれる。従来の降雨レーダでは1km四方の情報を5分周期で更新しているため、その高性能ぶりは一目瞭然だ。

そもそも、「Xバンド」というのは、弾道ミサイル防衛システムなどで使われている周波数帯の電波で、非常に細かい情報を得ることができるが、広い範囲の情報を取得するためには高出力が必要となる。

また「MPレーダ」の「MP」というのは、2種類の電波を同時に送受信できるレーダを指す。つまり、細かい情報を得られる電波を2種類同時に送受信できるため、従来よりも高精度な降雨状況を確認できるようになった。

そのXRAIN(XバンドMPレーダ)は、平成22年(2010年)より一般公開運用されている、比較的新しい仕組みである。
そのため、対応エリアは残念ながら全国とまではいかないものの、年々広がっているため今後に期待したい。


XRAINが対応しているのは地図上の四角い枠の中のみで、それ以外は従来の降雨監視システムとなる


●スマートフォンと相性の良いXRAIN
近年、スマートフォンでもXRAINの仕組みを使ったアプリが多くなっている。事実、iPhoneの「App Store」やAndroidの「Google Play」といった各アプリストアにて「XRAIN」または「XバンドMPレーダ」で検索するといくつもの対応アプリが登場するようになった。


アプリストアで検索するといくつも出てくるXRAIN対応アプリ


スマートフォンにはGPSがあるため、自身の位置を手軽に知ることができる。
つまり、XRAIN対応アプリでは、自分中心エリアの雨がどうかを一目で確認できるのだ。

XRAINの高精度な雨情報と、スマホの位置情報を組み合わせることで、まるで神様のように上空から周辺の雨を確認できるというわけ。

その画面を見ながら「この雨はおおよそ10分で止みますね」とドヤ顔で予言めいたことも言える。

これからの季節、にわか雨はもとより、夕立やゲリラ豪雨を気にする機会も多くなるだろう。
リアルタイムな降雨情報を活用し、濡れる機会を減らしてみてはいかがだろうか。


・国土交通省 XRAIN XバンドMPレーダ雨量情報


布施 繁樹