過去20年間で最低の成績のミランには、クリスマスツリーのフォーメーションのために、最高の“デコレーション”がやってくる。日本から来る本田圭佑のことである。彼は4-3-2-1のフォーメーションに適した選手だろう。

本田の加入により、マッシミリアーノ・アッレグリ監督は昨季も頻繁に用いていた4-3-2-1に移行することができる。昨季はこのフォーメーションを使うのに理想的な選手たちがいたわけではないが、これからはマリオ・バロテッリの後ろに右は本田、左はカカーが入ることが可能となる。

このフォーメーションは特にカカーのクオリティーを生かすことができるだろう。アッレグリ監督は何度もカカーがファンタジスタというよりもアタッカーだと話している。カカーにとってミランでの最高のシーズンとなった2006-2007シーズンも、フィリッポ・インザーギ（あるいはアルベルト・ジラルディーノ）の後ろで、カカーはクラレンス・セードルフと並んでいた。

勝ち点19、ここ９試合でわずか１勝という成績にもかかわらず、ミランは「エリア支配」やボールポゼッションでトップにいる。そのチームにおいて、本田にはポジション間の連結や、ラストパスの正確性を高めることが求められるだろう。運動量やパーソナリティーのほかに、日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が本田に備わっていると語るクオリティーだ。

ただし、本田がビッグクラブでプレーした経験を持たず、CSKAモスクワで今季リーグ戦１ゴールしか挙げていないことは言っておかなければならない。CSKAのフロントは本田がミランのために力をセーブしていたと批判するが、いずれにしてもミランがリスタートする上で責任を彼に負わすのはオーバーというものだ。

ディフェンスを堅固なものとするアディル・ラミ（だが、今季は試合に出場しておらず、時間が必要）。インサイドハーフ加入（最も可能性があるのはラジャ・ナインゴラン）への期待もある。

マーケットが終わるのを待つ一方で、確実なことが一つある。１月の補強に失敗すれば厳しいということだ。それも、夏以上に、である。昨夏の補強はアンドレア・ポーリを除き、良い結果を出していない。リッカルド・サポナーラはすぐに負傷し、アッレグリ監督の希望により1100万ユーロ（約15億9000万円）で獲得したアレッサンドロ・マトリは、わずか１ゴールと失敗に終わった。

そしてそのマトリは、本田の加入とジャンパオロ・パッツィーニの復帰により、プロジェクトから外される可能性もある。クリスマスツリーのフォーメーションでは、ストライカーのポジションは一つしかない。そしてマトリは現時点でストライカーの３番手だ。