5戦5敗の小川に対しカープは打線を組み替え、立ち上がりから奇襲を仕掛けた。悪天候という条件はあったものの、選球眼、小技、走塁、そして長打と積み重なった攻撃は見事だった。

 1点を先行されて迎えた1回の裏、今日1番の丸が四球で出塁。続く菊池がバスターエンドランを仕掛け、打球は高いバウンドでサードの頭上を越した。見事だったのはここからである。

 レフトバレンティンのチャージが遅いのを見て、丸、そして菊池が一つずつ進塁。無死2,3塁と絶好のチャンスを作ると、松山のファーストゴロ間に同点。内野はやや後ろに下がっていたのでさらに一死三塁と続き、打席にはキラ。

 緩いアウトローのスライダーにコンタクトスイング。一昨日は川上のスローカーブにやられていたが、今日は上手く溜めての打撃。「犠牲フライでもいい」という打球は低い弾道のまま右中間スタンドに飛び込む勝ち越し11号2ラン。豪快なイメージが強いが、一方で時折非常にクレバーな印象も受ける。

 3回には二死からキラ、梵、廣瀬の3連打で加点し、更に石原四球で二死満塁となると、木村が1,2塁間を破る2点タイムリー。3回6点と小川を打ち込んでKOした。


 一方先発バリントンは立ち上がりからボールが真ん中に集まる不安定な内容だったが、3回二死満塁では森岡のライナーを菊池がダイビングキャッチ。このプレーは大きかった。86球で5回2失点となんとか投げ切り、永川-ソコロビッチ-今村のリリーフ陣にバトンを渡した。

 打線はその後も代打岩本の5号2ランなどでリードを広げて大勝。連勝で4カード連続勝ち越しを決め、バリントンに7勝目がついた。

 好調のチームの中で特に目立つのが梵。今日も4打数4安打で、これで8月は42打数21安打の打率5割。この間にシーズン打率も3分以上上げているのだから驚きだ。

 ただ、明日の予告先発は課題の谷間。天候次第であるが、プロ3戦目の先発となる戸田がどこまで投げられるか。今井とセットでて6回くらいは投げて欲しいというところだが、今季初の同一カード3連勝もそろそろ見たい。