五輪で男子が苦杯を舐めさせられた、メキシコ相手のU-20女子W杯開幕戦だったが、いざ蓋を開けてみればまさに圧勝の滑り出しとなった。

メキシコは、日本と同様にパスをつないで来るサッカースタイルを採っていたのだが、男子とは正反対で日本のほうが明らかに個人の技術で勝っており、日本がポゼッションで優位に立ちつつ相手のミスを見逃さず先制すると、その後もPKなどで着実に得点して行く横綱相撲であった。

これが欧米相手なら、クサビにはドンと体で当てられて簡単にはボールをキープさせてくれないだろうが、メキシコの守備は足でボールをカットしに行くパターンが多く、そこを日本の選手がトラップで交わして反転するプレイが面白いようにハマり、選手も全く躊躇せずにどんどんクサビのパスを入れることが出来ていた。

親善試合のカナダ戦では、やたらと攻め急いでミドルを撃ちまくっていたので心配だったが、相手が弱いというのもあるのだけれど、きちんとサイドを中心に攻略して相手の守備位置を下げさせてからバイタルを使う攻撃が機能していたので安心した。これなら、各選手が得意としているドリブルもさらに効果的になる。

ただ、GK池田は安定したプレイを見せているとはいえ、やはりどうしてもパワープレイには弱みを見せてしまうというところと、何故かファールスローを良く取られていて、1枚イエローをもらってしまった事は次戦に向けてきっちりと修正しておく必要はあるだろう。

宮城スタジアムは1万人の入りで観客席はかなり寂しい状態になってはいたが、ドリブルやミドルもあって多彩な攻撃を見せているだけに、このままの調子で勝ち進めば地上波効果で一気に人気がブレイクするかもしれない。と言うより、なでしこリーグの動員を増やすという点でも、是非そうあって欲しいと願うばかりである。