福建省廈門(アモイ)発、浙江省寧波東行きの高速列車で4日、運転中の運転士が眠っていたことが分かった。同列車の速度は時速約200キロメートルだったという。空調が不調で、運転士は背後のドアを開け放したままで運転席に座っていたため、同列車をアモイから温州まで利用した乗客が目撃した。

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 福建省廈門(アモイ)発、浙江省寧波東行きの高速列車で4日、運転中の運転士が眠っていたことが分かった。同列車の速度は時速約200キロメートルだったという。空調が不調で、運転士は背後のドアを開け放したままで運転席に座っていたため、同列車をアモイから温州まで利用した乗客が目撃した。香港紙、苹果日報が報じた。

■「中国の鉄道高速化・高速鉄道」写真特集

 運転士が眠っていたと指摘されたのは、D3212列車。乗客が写真撮影し、インターネットで公開したために騒ぎになった。客室内の表示によると、当時の速度は正確には時速195キロメートルだったという。運転士は“爆睡”状態で、背もたれにもたれかかり、頭を右に傾けたり、しばらくして左に傾けたりしていた。

 インターネットでは、高速鉄道の安全性を皮肉る書き込みも多く寄せられ、「眠っていれば“人為的ミス”は発生しない。みんな、安心しろ」、「中国の高速鉄道技術が世界トップであることを証明した勇猛果敢な運転士。なにも恐れずに眠った」、「外国だったら厳罰の対象。運転手が安心して夢の世界に行けるのは中国だけ」といった書き込みが並んだ。

 中国の高速鉄道では7月23日、死傷者約250人を出す追突事故が発生した。高速鉄道の安全問題に対して関心が高まり、当局は「1カ月後には調査報告を発表する」と宣言したが、まとまった報告はまだ出ていない。

 これまでの鉄道事故では、「原因は人為ミス」との発表が多かった。多くの人は「真相を隠すための言い訳」と考えているという。(編集担当:如月隼人)