韓国現地時間15日午前11時34分、ソウルから馬山に向かう韓国高速鉄道(KTX山川)が密陽駅に到着する直前に突然車両から煙が発生するトラブルが起きた。180名の乗客は一時、緊急避難した。その後、韓国鉄道公社が同車両に乗客を乗車させて運行を再開したことで、乗客からは抗議の声が出ている。

 列車は密陽駅から2キロメートルの地点で突然、発煙した。目撃者によると密陽駅に到着した列車は、1号車から4号車まで濃い煙が充満していたという。また1号車の連結部分から発生した大量の煙が後続の車内にまで充満し、火災警報も鳴ったが、車内放送や乗員による説明はなく、窓ガラスを割って逃げようとする乗客もあったという。

 韓国鉄道公社は密陽駅で乗客を下車させ、車内の煙を排気した後、そのまま乗客を再乗車させて目的地に向かい、1時間かけて目的地に到着した。到着が遅れたことで乗客は賠償と運賃の返却を求め、韓国鉄道公社は最終的に密陽駅から昌原中央駅までの最低料金8100ウォン(約600円)の返金を決定したが、一部の乗客からは抗議の声が上がっている。

 故障した列車は2010年3月に導入されたもので、故障の原因は連結部通路の配電盤で漏電があったためと見られている。鉄道公社は今回の事故を「設計上、橋の上やトンネル内で事故が発生しても自動停車しないので、密陽駅まで走行を続けた」と説明した。

 列車を製造したメーカーは、「故障した列車はすでに釜山列車検査修理工場で総合検査を行い、原因を突き止めた」と発表している。(編集担当:及川源十郎)



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