インテルのマルコ・ブランカTD(テクニカルディレクター)が、英『BBC』のインタビューで、2011年夏のマーケットについて語った。レオナルド監督の後任を探さなければいけないインテルだが、チェルシーの新指揮官に就任したアンドレ・ビラス=ボアス監督の招へいは失敗に終わった。同監督について、ブランカTDは次のように話している。

「我々はビラス=ボアスのことが好きだし、彼も我々のことを気に入っている。彼は我々の下に2年間いたんだ。だが、彼には選手のように契約解除金があった。1500万ユーロで、それを支払うことができるクラブはチェルシーだけだったんだ」

経済力に関してイングランドのクラブと争うことは、不可能とはいかないまでも、難しい状況になっている。

「我々には、イングランドのクラブがグッズやチケットの売り上げで手にしている利益がない。我々は成長することができる、若くて才能のある選手を探そう」

つまり、マンチェスター・シティからFWカルロス・テベスを引き抜くことも考えられないということだ。

「彼は素晴らしい選手で、見事なキャラクターを持っている。だが、(獲得は)絶対にない。彼のサラリーが、我々を外しているんだ。現状のマーケットは狂ったもので、争うのは難しい。我々は2年後に導入されるファイナンシャル・フェアプレーも見据えて収支をコントロールしなければいけないんだ」

同じことは、ほかの人気銘柄についても言うことができるだろう。

「例えば、(ウディネーゼFW)アレクシス・サンチェスのことを見てみよう。我々は彼のことを気に入っていたが、シティは3500万ユーロ(約40億2000万円)にボーナスを加えるオファーを提示したんだ。それで我々は(争奪戦から)外れた。多くを払えるクラブはたくさんあるわけじゃないんだ」

過去2年間のインテルの成功において重要な存在だったMFヴェスレイ・スナイデルとFWサミュエル・エトーは、プレミアリーグへの移籍が噂されている。

「彼らは素晴らしい選手たちで、一瞬で試合を変えることができる。ビッグクラブたちが彼らのことを考えるのは当然だよ。だが、彼らはここで幸せだし、出て行きたがっているとは思わない。確実なのは、我々は彼らが出て行くことを望んでいないということだ」

一方、MFチアゴ・モッタの去就は新監督次第のようだ。同選手の代理人であるダリオ・カノーヴァ氏は、イタリア『ラジオCRC』のインタビューで、「彼が決められるのであれば、問題なくインテルに残るだろう。だが、クラブ内部の現状は少し混乱していると思う。新監督によるだろうね。それが(元ジェノアのジャンピエロ・)ガスペリーニだったら、T・モッタを失うことはできないだろう」と語った。