日本の政治報道を退屈にしたのは誰か――政治記者のみなさん、そろそろ本当の政治記事を書きませんか?【週刊 上杉隆】
たまには「政局記事」というものを書いてみようと思う。
〈2月17日、小沢一郎元代表に近い16人の国会議員が民主党会派を離脱した。
16人は、同党所属の比例選出の衆議院議員で、同日、衆議院に新会派「民主党政権交代に責任を持つ会」を届け出たのち記者会見を開いた。会長は渡辺浩一郎氏で、会見では「菅内閣に正当性はない」として即時退陣を強く求めている。
これに対して、枝野幸男官房長官は、同日午前の会見で、「動き自体は当然、承知をいたしているが、詳細、どういう理屈を立てておられるのか、よく分からないところがある。また、同じ党で会派が別ということは、これはもう、常識的に考えられないことだと思っているので、党の方で然るべくキチッとした対応をしていただけるものと確信をしている」と不快感を示した。
仮に、16人が予算関連法案などで反対に回れば、衆議院の3分の2議席による再可決が絶望的となり、菅政権は窮地に立たされることになる。
岡田克也幹事長ほか、党執行部は、16人の会派離脱を認めず、さらなる同調者の動きを封じ込めようと躍起になっている。
だが、小沢元代表周辺からは、さらなる同調者が現れることも示唆され、菅内閣は予算成立を前に、正念場を迎えている〉
政治記者は大変である。朝から晩まで政治家を追いかけ、こうした記事を書かなければならないのだ。
一見すれば、立派な記事であるかのようである。だが、そこには何ら深みはないし、膝を打つような分析もない。なにより読んでいてまったく面白くもなんともない。
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岡田克也幹事長ほか、党執行部は、16人の会派離脱を認めず、さらなる同調者の動きを封じ込めようと躍起になっている。
だが、小沢元代表周辺からは、さらなる同調者が現れることも示唆され、菅内閣は予算成立を前に、正念場を迎えている〉
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