中国で大きなシェアを誇るセキュリティソフトのメーカーの金山毒霸。2005年からはキングソフトという社名で日本でもセキュリティソフトの販売を行っている。しかしここ数日、中国国内からは「金山が中国ユーザーからは金を取るのに、日本では無償配布を行っている」との反発の声が挙がっているようだ。千竜網などが伝えた。

 騒ぎの発端は、数日前に「ニセモノ退治の第一人者」と呼ばれる王海氏が虚偽広告で金山ソフトウェアの販売業者を相手取って起こした裁判が開廷した際、王海氏がこの件について触れたことだ。王氏は「販売戦略上で中国ユーザーを軽視し、騙し続けてきた」としてこの件でも金山ソフトウェアを訴えることを決めたという。

 千竜網は「金山の日本人びいきが明らかに 中国消費者への差別か?」というタイトルの文章を掲載した。文章では、「中国民族ソフトウェアの誇り」という看板を打ち出してきた金山が、日本ではソフトウェアに広告画面を掲載することでセキュリティソフトの無料配布サービスを実施している一方で、中国ではそのようなサービスを展開せずに3年間で220元の使用料を払わせ続けていることを紹介した。そして、「知らぬ間に2つの国で別の『政策』を実施し、両国のユーザーを不平等なはかりにかけていることは、はっきり言って中国ユーザーを愚弄している」と断じた。

 現在、日本、中国いずれでも最新版の「金山毒霸2011」(日本名はインターネットセキュリティ2011)がリリースされているが、日本では広告付きの無料版、有効期間1年で980円、無期限で1980円の3種類が用意されている。一方、中国では90日間無料試用期間がついたものが用意され、無料期間終了後に毎月利用料が発生するしくみになっている。(編集担当:柳川俊之)



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