ヨーロッパリーグでアトレティコ・マドリーが大躍進を遂げた。準決勝でリバプールと対戦することになったアトレティコ・マドリー。第1レグはマドリーで行われフォルランのゴールにより1−0で先勝。迎えた第2レグはアンフィールド。この難しいスタジアムでアトレティコ・マドリーが意地を見せた。

 前半終了間際にベナユンのセンタリングをアキラーニが合わせてリバプールが先制。スタジアムの雰囲気は最高潮に達した。あっさりと総得点で追いついたリバプール。後半はリバプールペースになるかと思われたが、なかなかゲームを構築できない。ミスが目立ち、さらに疲れからか運動量が落ち、アトレティコ・マドリーに支配されるシーンが多くなる。

 それでも我慢を続けたリバプール。このまま1−0で試合は延長戦へもつれ込む。延長前半いきなりワンチャンスをものにしてベナユンが追加点。これでアトレティコ・マドリーは力尽きたかに見えた。すぐに動きを見せたのがキケ監督。ディフェンシブハーフのアスンソンを代え攻撃的MFフラードを投入。これで一気にアトレティコ・マドリーが息を吹き返す。

 フラードの鋭いドリブル突破。リバプール選手達はリズム良くドリブルするフラードに付いていけない。レジェス、フラードが次々にゴールチャンスを作り出した。奇跡は延長前半終了間際に起こる。エースのフォルランがレジェスの右からのパスをうまく合わせ、技ありのゴール。このアウェイゴールで決勝進出にリーチを掛けたアトレティコ・マドリーは、この1点を守り切り24年ぶりにヨーロッパの大会で決勝進出を果たした。

 キケ監督の素早いベンチワークで勢い付いたアトレティコ・マドリー。フラードの投入が延長戦のキーポイントとなった。シモン、レジェスといった突破力がある選手の中でフラードはパスも散らせて、ドリブルでも前線に飛び出していける万能MFだ。アグエロ、フォルランといった選手に埋もれがちだが、今後の活躍が楽しみなMFである。古豪アトレティコ・マドリーがついにヨーロッパの決勝の舞台に立つ。

(スペイン通信)