フランスのレキップ紙が15日、一連のW杯出場各国の紹介で、グループEで日本と対戦するデンマークを取り上げた。

 同紙がグループリーグ突破の本命はオランダのみ、と予想するグループEで、デンマークがカメルーン、日本との争いを制して決勝トーナメントに進出するカギを握るのは、ニクラス・ベントナー(アーセナル)だ。

 デンマーク史上3番目に若い18歳7ヶ月でA代表デビューし、現在22歳にしてすでに32試合の代表キャップを誇る193センチの長身ストライカー。レキップ紙は、南アでもっと注目すべき若手選手のひとりと特筆し、活躍は間違いないと太鼓判を押す。

 しかしアーセナルでは、まだ爆発的な力を発揮しているとは言いがたいのもたしか。昨シーズンはプレミアリーグ31試合に出場し9ゴール(チャンピオンズリーグでは9試合2ゴール)。今季は21試合で先発は12 試合。6ゴールと決定力に欠け、まだ不動の地位は築けていない。

 先月のバーンリー戦(プレミアリーグ第29節)では、ペナルティエリア内で放った8本のシュートをことごとく外し、翌日の英メディアから「アーセナルにとって必要な選手か?」(デイリーメイル)、「レベルに達していない」(タイムズ)、「ひどい」(ガーディアン)などと酷評を浴びたが、その後はチャンピオンズリーグ(CL)を含めた8試合で7得点と活躍している。

 中でも出色は、CLのFCポルト戦。ベントナーはCLでハットトリックをマークした初のデンマーク人となった。レキップ紙がW杯での活躍を信じるのも、こうした大舞台での強さが大きい。

 アーセナルのヴェンゲル監督も、「まだ22歳。トップレベルでプレーするようになってから日が浅い。伸び盛りで、学ぶべきことがたくさんある」とその潜在力に期待をかけている。W杯はベントナーがさらに一皮むける大きなチャンスとなる。