選手としてのピークを過ぎてなおメジャー昇格を目指して苦闘している投手にとって、バッファローは寂しい町だ。そのうえ英語もあまり話せず、家族とも遠く離れているとなれば、なおさらだ。しかし、そのような環境でがんばっている選手がいると8月4日付でニューヨーク・タイムズがメッツ傘下3Aバッファロー・バイソンズの高橋建投手を取り上げた。

 広島東洋カープで14年を過ごしたのち、今季からバッファロー・バイソンズと契約。5月には40歳で歴代3位の高齢メジャーデビューを果たしたオールド・ルーキーだ。

 15試合で防御率は3.00、奪三振14とそこそこの数字を残しているが、6月の対フィリーズ戦でラウル・イバニエスにホームランを打たれて試合を落としたのが痛かった。2週間後にはバッファローへ逆戻りすることになった。

 バッファローで高橋はネルソン・フィゲロアと親しくしている。フィゲロアもメジャーと3Aを行き来している投手だ。ふたりは強力な速球がなくても打者を打ち取るコツを教え合っている。フィゲロアは高橋の3種類のシュートと、責任感の強さに驚かされたという。

 一方、先週、レッドソックス傘下のポータケットを4回無得点に抑えた高橋はいう。「フィギー(フィゲロア)はマウンドでは精神力が大事だという。たくさんのことを学ばせてもらっている。ぼくの目標はメジャーに復帰すること。必ず戻ってみせます」