世界累計発行部数3000万部を超える漫画作品「DEATH NOTE」。実写映画、小説、アニメなどのメディア展開がなされてきたこの作品が、ハリウッドで実写映画化されることになった。

 日本では2006年に藤原竜也主演の映画「デスノート」「デスノート the Last name」が公開されており、原作漫画とは違う設定、結末で好評を得た。しかし今回のハリウッド版はそのリメイクではなく、漫画を原作としたものということになっている。

 原作漫画と実写映画の相違については、その作品ごとに多くの意見がある。デスノの映画版も賛否両論あったようだが、個人的には、なるほど、と思う場面が多かった。

 映画版デスノはもう一つのデスノである。死のノート、夜神月、L、さくらTVなど、原作に存在しているものを利用し、再構築したもう一つのデスノ。漫画でしかありえない表現を切り捨て、映画でこそ生きる手法を駆使し、映画版における完全なるデスノを作り出すために設定を練り直し、結末を作り変えた。その思い切りがいい作品を生み出し、結果を残したのである。

 例えば映画版ではストーリー上、触れることすらなかった第二部。これを日本映画として実写化するのは非常に難しい。舞台がアメリカに移り、登場人物も外国人が格段に増えるためだ。原作では台詞はすべて日本語となっているが、これは漫画だから許される特権のようなもの。映画で日本語ペラペラの外国人ばかりが登場しては、その事実ばかりが気になってストーリーを楽しむどころではないだろう。かといってニアやメロを日本人が演じることはファンが許さない。

 逆にハリウッドでの映画化となると、登場人物のほとんどは外国人であろう。これは想像してみてもさほど気にならない。Lだけが気がかりではあるが、その他の登場人物はイメージさえ合っていれば顔が似ている似ていないは問題ではない気がする。写実的でいながらどこか現実離れした小畑健氏の絵がそう思わせるのか。

 映画版ドラゴンボールが残念だったことは記憶に新しいが、そもそもあれを実写化しようというのが無茶なのであり、けっしてハリウッドがだめだとか、キャストがどうとかいったことではない。ましてや原作がつまらないなどということであるはずもない。そんなことは日本の、いや全世界のドラゴンボールファン全員がわかっていることだ。

 実写化における最大の壁、二次元キャラクターを実在する俳優が演じるというハードルは、デスノにおいては限りなく低い。ストーリーも原作を踏襲するのならば問題はなさそうだ。情報が限りなく少ない現状で判断する限りではあるが、デスノのハリウッド版は意外といけそうである。少なくともドラゴンボールのような大惨事にはならないであろう。

(編集部:三浦ヨーコ)


【参照】
バラエティ・ジャパン | 「デスノート」ハリウッドで実写映画化

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