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(父リックさん、母キャシーさんと長女パリス)

すでにご存知の方も多いと思うが、次期アメリカ大統領の座を狙う共和党上院議員ジョン・マケイン候補は、7月下旬のキャンペーンCMに、お騒がせセレブのパリス・ヒルトンとブリトニー・スピアーズの写真を大変不名誉な表現で登場させ、世間のひんしゅくを買っていた。共和党を推していた大富豪のヒルトン家も、これには黙っていなかった。

11月の次期アメリカ大統領選最終投票に向け、いよいよキャンペーン活動に力が入る共和党ジョン・マケイン上院議員と、民主党バラック・オバマ上院議員の両候補者陣営。相手の政策を批判することは当然ながら、荒を探してはなじり、本人の過去どころか家族、親類の非まで持ち出してきては攻撃するといった陰湿なやり口がアメリカでは許されるため、時にお茶の間を不愉快にさせる場合もある。

今回共和党がマケイン候補のために制作したCMは、このようなものである。「YouTube」でもアップされたので、こちらの動画もご覧頂ければと思う。最初にワシントンDC、続いてブリトニーとパリス、オバマ氏の写真が連続で登場する。「オバマは(ブリトニーやパリスと並ぶ)今や世界の超有名人です。だからといって彼は全米のリーダーになれる器でしょうか」から始まり、メッセージは次々とオバマ氏批判を続ける。要するに、お騒がせセレブと同じで中身は何もないと言いたげだ。

これについて、実はパリスのこの写真は無断で使用されたものであると代理人が発表し、さらに3日にはパリスの母キャシー・ヒルトンさんが、約50万円を共和党キャンペーンのために寄付していたヒルトン家の代表として、オンライン・ニュースサイト『ハフィントン・ポスト』に、ついに怒りの気持ちを寄せた。

「マケイン氏に対し、私からは3つのことを申し上げたいです。あなたのやっていることは、たくさんの寄付をしてくれた皆さんからのお金を無駄にしています。そして、数百万という人々が家や職を失っている中、このようなくだらないCMで注目を集めようとするなど、全くの時間の無駄です。そして次期大統領を選ぶという大切な時にこのようなやり方をしているようでは、あまりに軽薄です。」

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(私が悪うございましたっ。分かったから、ハイハイ。)

共和党は6月中旬にも、人種差別を思わせる真っ黒いキャンペーン・バッジを製造させ販売、意表をついたつもりが結局は人々の怒りを買うなど失策を繰り返してきている。今回もこのとおり、寄付をして推してくれていたヒルトン一族を敵に回してしまった。いい加減、党の広報部の人事や依頼先の広告会社を一新すべきである。


(画像提供:Japan Times)

(編集部 Joy横手)

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