富士通のモバイルPC「LOOX U」

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富士通は2007年6月12日、本体約580gの世界最小コンバーチブル型Ultra Mobile PC(以下UMPC)「LOOX U」の個人向け発売を開始した。「LOOX U」は、インテルの"Ultra Mobile Platform 2007"を採用したUMPC(Ultra-Mobile Personal Computer)規格のモバイルパソコンで、どこにでも持ち運べて、簡単にインターネットへ接続できる点が大きな特徴となっている。
価格は、直販価格で最小構成13万9,800円より。

■YouTubeの動画を楽々再生

LOOX U」は、持ち運びに適した重さ約580g・薄さ26.5mmの超小型A5サイズボディーを実現。液晶パネルを180度回転するコンバーチブル構造を持ったWindowsパソコンとしては、世界最小となる(2007年6月現在)。
正面から見た「LOOX U」タブレット型にした「LOOX U」
正面から見た「LOOX U」タブレット型にした「LOOX U」

今までにも小型のパソコンは各社から発売されているが、携帯性を重視するあまりに操作性を犠牲にしていたマシンも多く、仕事で使うパソコンとしてはパフォーマンスが不足する製品もあった。「LOOX U」は、CPUにインテルプロセッサーA110 800MHz、512Mバイトのメモリ(最大1Gバイト)、20GBのハードディスク(カスタムメイドで最大40Gバイト)と、外出先や移動中にインターネットでホームページを見たり、メールの送受信や報告書の作成なども行える十分なパフォーマンスを備えている(移動中の通信には、無線LANアクセスポイントまたは通信型カードが必要)。試しに、YouTubeなどの動画を閲覧してみたが、スムーズな再生ができた。
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LOOX U」は、ノートPCに必要と思われる各種インターフェースを標準で備えている点も見逃せない。左側面には、DC-INコネクター、SDカードスロット、音量ボリューム、マイク端子、ヘッドフォン端子。右側面には、CCFカードスロット、電源スイッチ、USB端子。外出先で通信する場合には、内蔵の無線LANまたは別途にCF型の通信カードか、USB接続の通信機器を用意して使用することになる。
左側面から見た「LOOX U」右側面から見た「LOOX U」
左側面から見た「LOOX U」右側面から見た「LOOX U」

有線LANと外部ディスプレイの利用には、オプションの変換ケーブルやポートリプリケーターを使用することでサポートされる。IEEE802.11a/b/gの無線LANは、購入時のカスタムメイドで追加できる。

別売またはカスタムメイドの「スタンド型専用ポートリプリケータ」は、外部ディスプレイや有線LAN、USB2.0×4ポートを備えている。ポートリプリケータにディスプレイやキーボードを接続しておけば、「LOOX U」をポートリプリケータにのせるだけで、デスクトップパソコンのような使い方もできる。
変換ケーブルスタンド型のポートリプリケータ
変換ケーブルスタンド型のポートリプリケータ

■小さくても打てるキーボード

モバイルノートPCの操作性で一番関心の高いところは、キーボードやポインティングデバイスの操作性だろう。本製品は、キーピッチ約14mm、キーストローク1.3mmのキーボードを搭載している。「両手でのブラインドタッチは難しいのでは!?」と思う人がいるかもしれないが、SigmarionIIIのキーボードと比較しても、タッチ面積が広く、なかなかの打ちやすさだ。ブラインドタッチには、多少の慣れが必要と思われるが、両手で打てるキーボードサイズを実現している。
左が工人舎「SA1F00V」、右が「LOOX U」左が「LOOX U」、右がNTTドコモ「SigmarionIII」
左が工人舎「SA1F00V」、右が「LOOX U」左が「LOOX U」、右がNTTドコモ「SigmarionIII」

マウスを操作するポインティングデバイスには、スティックポイントを採用されている。液晶画面の左下にあるクリックボタンがマウスボタンの代わりの役割を果たす。実際に使用してみると、ゴムの突起が親指とフィットして、スムーズにカーソルを操作できた。これなら、スティックポイントを初めて触る人でも、使い方に戸惑うことはないだろう。

LOOX U」は、「Microsoft スクリーン キーボード」を採用しているので、画面が小さいぶん、ひとつひとつのキーが小さく表示される。携帯情報端末のスクリーンキーボードに慣れている人であれば、違和感なく使用できると思われるが、初めて使う人は慣れるが必要かもしれない。
スティックポイントスクリーン キーボードの画面
スティックポイントスクリーン キーボードの画面

■プレゼンテーションにも威力を発揮

ビジネスでの利用の場合、プレゼンテーション機能は重要だ。出張先などでプレゼンテーションを行うケースも多く、そのためにパソコンを持ち歩くビジネスマンも多いだろう。この「LOOX U」は、小型ながら外出先のビジネス活用も強力にサポートしてくれる。

オプションまたはカスタムメイドの変換ケーブルには、有線LANと外部ディスプレイのコネクタが用意されており、外部ディアスプレイ入力が用意されたプロジェクターであれば、「LOOX U」の画面を出力することができる。また、スタンド型専用ポートリプリケーターを使用すれば、画面が傾斜した状態でプレゼンテーション資料をペンタッチ操作で説明することもできる。

プレゼンテーションは、薄暗い部屋で、プロジェクターを使用することが多い。「LOOX U」は、暗い場所でもキーボード操作ができるように、手元を照らすキーボードライトを標準搭載している。これまでに発売されたノートPCでは、キーボードライトは、液晶パネルの上から照らすものが多く、液晶画面が見づらくなるなどの問題もあったが、本製品ではキーボードの上部からキーを照らすので、画面が見づらくなる心配はない。
「LOOX U」をプロジェクターに接続キーボードライトを点灯させてみた
LOOX U」をプロジェクターに接続キーボードライトを点灯させてみた

どこにでも持ち歩けるモバイルPCであるからこそ、セキュリティ対策は気になるところだろう。「LOOX U」は、コンパクトなボディに、FMVならではの強固なセキュリティ機能を搭載している。具体的には、第三者の不正使用を防止するために、指紋センサー・BIOSパスワード・HDDパスワードに加え、ウイルスによるシステム破壊を防ぐためにウイルス対策ソフト「Norton AntiVirus 2007」がプレインストールされている。

情報漏えい対策には、HDD内の重要なファイルを安全に削除する「HDDデータ消去」。不正デバイスの接続をすべてシャットアウトし、パソコンに標準搭載されているポートを使用禁止にすることで、外部記憶デバイスの使用を制限する情報漏洩対策ソフト「Portshutter」を備えている。

LOOX U」は、携帯性を重視したマシンであるが、多様な操作に対応した使いやすさを兼ね備え、家の中でも外出先でも、プライベートからビジネスまで手軽に使用できるマシンに仕上がっている。セキュリティ対策も十分に搭載されているので、モバイルでの利用でも安心して使用できそうだ。

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編集部:関口 哲司
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