『資格』を取るのはお金のため?スキルアップのため?

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エンジニアにとって、資格は自分の知識を積み上げ、スキルアップするうえで目安となるもの。最近はより専門分野に則した資格も続々登場しつつある。その資格取得の目的や資格手当の現状、手当への満足度をアンケートで尋ねた。

自分の知識を裏づけ、仕事へのモチベーションを高めるために

技術職という仕事の性格上、エンジニアは仕事を続けていくため、たえず最新の技術を習得する必要性に駆られている。そのため、資格試験のための勉強が、技術をキャッチアップするためのよいきっかけになる。

これらはいつの時代も変わらない転職理由だが、景気回復の動きの中でも、会社と仕事について、先の見えない不透明感は、いまだ分厚い雲のようにのしかかっているということだろう。あるいは、業績が回復しているにもかかわらず、それを給与や待遇にストレートに反映しない会社への不満が根底にあるのかもしれない。

業界の中で広く認められるスタンダードな資格をもっていれば、それが技術力の証明や裏付けになるという点も見逃せない。社内の昇進・昇格の際、あるいは転職において、資格の内容が、技術者のスキルを推定するバロメーターになる。

業界によっては、デファクト・スタンダードな製品・規格をもつ有力ベンダーとパートナーシップを結ぶためには、一定数のベンダー資格取得者を社内にそろえる必要がある場合もある。その場合は、資格取得はいわば会社が事業を進めるうえでの必須条件となり、資格取得は奨励のレベルを越え、一種の業務命令に近いものになる。

資格を取得するもう一つのメリットは、資格手当などの直接的なインセンティブ、金銭的報酬だろう。世の中の流れとしては、福利厚生的な意味合いの強い「手当」は廃止される傾向にあるが、それでも試験に合格すれば受験料の補填や、「報奨金」「奨励金」などの名目で一時金を支払う企業は少なくない。金銭目当ての資格取得は本来の姿ではないにしても、試験勉強に取り組むうえで励みになることもまた確かだ。

今回、100人のITエンジニアを対象に、保有する資格の状況や、資格手当などの有無についてアンケートを取った。その結果を引用しながら、エンジニアと資格についてあらためて考えていきたい。


初級レベルを中心に7割がなんらかの資格を取得

アンケート対象者は、25〜39歳のシステム開発、パッケージソフト開発、社内情報システム、運用・保守・テクニカルサポート、ネットワーク設計・構築などに従事するITエンジニアたち。情報処理技術者試験系の国家資格のほかに、シスコシステムズ、マイクロソフト、オラクル、SAPなどのいわゆるベンダー資格が広範に整備されている職種・業界である。さらには、C言語、Java、VisualBasic などプログラミング能力を評価する資格があり、昨今はPMP(Project Management Profes)やITコーディネータなどの管理能力に特化した民間資格も多数存在する。

アンケートによれば、資格取得者が多いのは、「第二種情報処理技術者(※現在は「基本情報技術者」)」(26人)「初級システムアドミニストレータ」(26人)「ORACLE MASTER silver」(12人)、「MCP」(10人)「CCNA」(8人)などである。アンケート調査に当たって編集部がリストアップした資格は全部で59種におよぶが、回答者のうち70%が「いずれかの資格をもっている」と回答している。ITエンジニアにとって資格取得は、ほぼ当たり前の行為といってよいのではないだろうか。

ただ、上記に具体的にあげた資格はいずれも、国家資格・ベンダー資格の中では「初級」に位置づけられるもの。IT業界のなかではいわば「入門編」と考えられているものばかりだ。

例えば、ネットワーク技術者のデファクト・スタンダードであるシスコ技術者認定の中でも「CCNA」は、あくまでもネットワーキングの基本的な知識を示すもので、100ノード以下の小規模ネットワークに対する、LAN、WANなどの設定・運営を行えるレベルにすぎない。このレベルの資格であれば、いまや学生でも持っていることが多く、それだけでは必ずしも「できるエンジニア」の証明になるとはいえないだろう。

シスコ技術者認定についていえば、さらにその上の段階、プロフェッショナル(CCDPやCCIPなど)やエキスパート(CCIE)へのステップアップが求められている。


資格取得が手当額や昇給・昇格にどのような影響があるのだろうか。
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