あの新小岩駅にホームドアが設置されたが…

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人身事故が多かった東京・葛飾区内のJR新小岩駅で、総武線快速にホームドアが設置されて1週間近くが経った。

これまでに人身事故は起きていないが、各停のホームで線路に人が転落する事故が起き、ネット上で今後を懸念する声も出ている。

酒に酔い、誤ってホームから足を踏み外した模様

「ホームドアはどうした!」「なんで転落する人がいるんだよ」。帰宅を急ぐ人も多い総武線の新小岩駅で2018年12月13日深夜、線路に人が転落したことが分かると、ツイッター上では、実況中継して嘆く人が続出した。

JR東日本千葉支社によると、13日23時ごろ、各停の上り電車がホームに停車中に先頭車両近くで人が線路に落ち、ホーム上の人が見つけて、乗務員と駅員が駆け付けて救助した。

転落した人は、その後、救急車で病院に運ばれた。目撃情報によると、自殺などを図ったものではなく、酒に酔って誤ってホームから足を踏み外したらしい。

この事故で、停車中だった電車の発車が11分遅れ、総武線は、上下線で各停8本、快速4本に数分程度の遅れが出た。

新小岩駅では、12月8日に快速にホームドアが設置され、これで人身事故が少なくなればと期待の声が上がっていた。今回は、ホームドアがない各停で転落が起きたが、「各駅停車のほうにもホームドアつけるべきなのでは?」「何かに呪われてるとしか思えない」との声がツイッター上で漏れている。

各停でも、ホームドア設置を計画しているが...

千葉支社の広報担当者は12月14日、ホームドアの設置以降、新小岩駅で人身事故は起きていないとJ-CASTニュースの取材に答えた。しかし、ホームドアを巡って、度々トラブルは起きている。

設置当日の8日には、ホームドアの一部が閉まらなくなり、ブラシがドアの閉まる部分にはさまっていたことが原因と分かった。その後、ブラシを除去してから運行を再開した。

また、10日には、電車の発車時に、車両とホームドアとの連動装置に安全上のエラーが出て、急ブレーキをかけて数メートル先で止まった。

こうしたことが、ツイッター上の運行情報で流れ、新小岩駅の今後に懸念の声が出ている。ホームドアは、あくまでも転落防止が目的のため、「自殺したい人はホームドア程度は軽く乗り越えそう」との指摘もあった。

なお、JR東日本では、総武線各停についてもホームドアを設置することを計画しており、2032年度末までの完成を目標にしている。もし、各停にも設置されれば、新小岩駅すべてでホームドアが実現することにはなる。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)