“神の手弾”から日韓W杯まで… 英誌特集「VAR判定でW杯史が変わっていた出来事」
イングランド戦で生まれたマラドーナの“伝説の一撃”が最初に紹介
FIFA(国際サッカー連盟)は1月、今シーズンからイングランドやドイツ、イタリアなどで導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が、6月のロシア・ワールドカップ(W杯)で導入することが決定的になったことを発表した。
これを受けて英サッカー専門誌「フォー・フォー・トゥー」は、過去のW杯で 「VARがあれば判定が変わっていた出来事10選」を紹介。1986年のメキシコW杯で元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナによる神の手ゴールや、2002年日韓W杯で誤審の連続で物議を醸し出した韓国対スペイン戦などが選ばれている。
冒頭に「過去にVARの利用が可能だった場合、W杯の歴史は大きく変わっていたはずだ」と記載された記事は、これまでに起こった大きな誤審となった場面を10個取り上げている。
最初に紹介されているのが、あの有名な1986年のメキシコW杯でマラドーナが見せた“神の手ゴール”だ。
準々決勝のアルゼンチン対イングランド戦で、前に出た元イングランド代表GKピーターシルトンと競り合ったマラドーナの左アッパーがボールを直撃してゴールイン。このゴールは大きな騒動を生んだ。しかし、その後マラドーナは5人抜きの神業ゴールを決めており、この誤審が結果を左右したかは分からないと英メディアは皮肉を込めている。
物議を醸したW杯3位に輝いた韓国の試合
その他には2010年南アフリカW杯決勝で元スペイン代表MFシャビ・アロンソに対して元オランダ代表MFナイジェル・デヨングが空手キックを浴びせながらもイエローカードになったシーンや、2010年W杯出場権を懸けた欧州プレーオフで元フランス代表FWティエリ・アンリがハンドでゴールを決めた場面、2010年南アフリカW杯決勝トーナメント1回戦ドイツ対イングランドで元イングランド代表MFフランク・ランパードのシュートがゴールラインを割っていないと判断された場面などが選ばれている。
誤審で物議を醸したと言えば、2002年の日韓W杯で3位に輝いた韓国代表がスペイン代表と対戦した試合で起きた場面だろう。元スペイン代表MFホアキン・サンチェスが上げたクロスによってゴールが生まれたのだが、このクロスがゴールラインを割っていたとジャッジされてノーゴールとなった。さらにイタリア戦でも誤審が生まれており、大会を通して韓国に対する物議が起こっていた。
これら多くの誤審は、今夏のロシアW杯でVARの導入によってなくなることが期待されている。VARの導入がサッカー界を大きく変えるのだろうか。
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images