コンビニ出店戦略の意外な盲点

写真拡大

 10月末現在で国内のコンビニの総店舗数は、5万5,341。約9割がセブンイレブン・ファミリーマート・ローソンで占められている。

【こちらも】セブンイレブン、沖縄に出店 全都道府県を制覇へ

 各メディアが報じる通り大手は店の在り様に関する「差別化」戦略に、出店競争にしのぎを削っている。都道府県別の出店件数では、北海道が唯一地元資本の「セイコーマート」がトップを占めているが他の都府県は、セブンイレブン:23府県/ファミリーマート:15県/ローソン:8県といった状況。「だけにローソンは“次世代型コンビニ”と銘打った新鮮野菜特化店や介護型店を展開している」とする見方もある。今後ますますコンビニの出店競争は激しさを増していこう。「地元資本のコンビニ」の看板の取り換え(M&A)などが加速することを予測される。

 ところでコンビニ展開に際してポイントになる商品が何か、ご存知だろうか。全コンビニの売上高比率で約2割を占めるものである。タバコである。確かにタバコは「世にはばかる嫌われ物」の感が日増しに高まっている。世に嫌われる喫煙者の数は減っていくのだろうか。経産省の試算では「話題の電子タバコも喫煙者減に繋がっていない」という。

 愛煙家の貴方(貴女)は日々の生活圏にあるコンビニを選択する時「タバコを売っている店」を選ぶ可能性が高いのではないだろうか。「コンビニ全ての店でタバコを扱えばいいじゃないか」となる。だが問屋がそうそうたやすくそれを許してくれない現状がある。問屋とは財務省。財務省はいまなお「タバコ専門店保護」の名目で、タバコ取扱店に認可制を敷いている。専門店だけでなく「既にタバコを取り扱っている店舗から25-300m離れた場所でなくては、タバコの取り扱いはまかりならぬ」としている。

 こんな嘘のような真の話がある。あるコンビニがかっこうの!?進出地を見つけた。が入りやすい入り口を建屋の左側に設営すると既存のタバコ取扱店からの距離の関係で財務省の許可が下りないことが分かった。件のコンビニは泣く泣く入り口を右側にしてタバコの取り扱いOKの許可を得たというのだ。

 コンビニの新規出店も、決して容易ではないのである。