ルヴァンカップ決勝までになにをすべか。それまでの試合を勝ち続けるために貢献する。決勝に向けてチームのテンションを下げさせてはいけない。そして、決勝に向けたトレーニングでの振る舞い。自分は出ないから、なんて態度は少しでも出してはいけない──。次の役割に目を向けている。
 
 奈良選手の言葉を聞いて、わたしも誇れるくらいに手を抜かずやってきた、と言えるものが欲しいなと心の底から思った。そうすれば、なにがあっても常に前を向くことができるのだと。
 
 一方で、「悔しい想いから自分は強くなってきた」という奈良選手に、もうこれ以上強くなる試練がやってきませんように、とも祈りながら。
 
取材・文:高木聖佳(フリーアナウンサー)
 
───◆───◆───
 
著者プロフィール
たかぎ・きよか/Jリーグ中継に欠かせないピッチリポーターのひとり。現在は主にDaznで川崎、東京Vなどを担当し、スカパー!ではユース年代の中継も担当する。明るいキャラクターと浪速仕込みの鋭いツッコミに定評があり、選手や監督からの信頼が厚い。過去に「ガンバガール」を務めた異色の経歴を持つ。ご主人は水戸ホーリーホックの西ヶ谷隆之監督。座右の銘は「雲の上はいつも晴れ」。大阪府東大阪市出身。