「EXPO 町あかり」

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楽器メーカーでもない、カシオ計算機が製造・販売している電子キーボード「カシオトーン」と音楽制作ソフトのガレージバンドを駆使して、町あかりがつくりあげた全17曲、「EXPO 町あかり」が2017年7月26日、ビクターエンタテイメントから発売される。

タイトルのとおり、万国博覧会のように、いろいろな「音」が散りばめられている。

「あるよね〜」って、鼻歌まじりに「働く人」の日々を歌う

どれも、町あかりが作詞・作曲。アレンジも手がけた。もともとカシオトーンに内蔵されている「サンバ」「ポップス」「メレンゲ」といった音楽ジャンルを選んで、イントロのプリセットを選択。ここぞ! というタイミングでフィルインのボタンを押すだけというお手軽さ。

ボタンを押すタイミングがちょっとくらいズレているのは、ご愛嬌。それを直すこともせずにオケをつくり上げ、これに「ガレージバンド」を使って最小限のトラックダウンを行い、マスターを完成させた。

町あかりの伸びのあるボーカルが、曲にピタリとはまったかと思えば、微妙なアンバランスさを感じたりもする、不思議な1枚。

ときに鼻歌のようにさらりとあっけなく、あるいはまったりと曲が流れ、とはいえ大迫力のサウンドが押し寄せるわけでもなく、ほどなくエンディングを迎える曲たちに、なんとなく気怠さを感じてしまう。

が、それがまたよい!

映画「女流闘牌伝 aki ‐アキ‐」の主題歌「たおやかだ 〜 aki 〜」や小学館ビッグコミックスピリッツ「スローモーションをもう一度」のイメージソング「あ・と・で・ね」のほか、合法的に会社を休めると喜ぶ「わくわくインフルエンザ」や、「同じ部署の佐々木君にごはん誘われたけど、行くかどうか迷ってる」というガールズトークを歌った「素敵なフェリー2人旅」。ショートケーキを我慢できず、ハイヒールを折ってしまった「ハイヒールが折れたわ」などを収録。

4曲目の「ちょっとバタバタしてまして」では、口を開けば「ちょっとバタバタしてまして」と繰り返すサラリーマンに、「バタバタしているあいだに人生終わっちゃうぞ〜」と問いかける1曲。なんだか自分のことを言われているような気がして、ハッとなったりもする。

2315円(税別)。