あなたのOfficeファイルは大丈夫? ファイルを検査して個人情報の漏洩を防ごう

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マイクロソフトのOfficeは、ビジネスに欠かせないツールだ。それだけに、さまざまなセキュリティ機能が用意されている。

今回紹介する「ドキュメント検査」も、そうした機能の1つだ。

Officeファイルからの個人情報漏洩を防ぐなら、ぜひ活用したい。

●Officeの文書に含まれる"見えない情報"に要注意
WordやExcelで作成したファイルを上司に提出したり、社外の部外者に渡したりするときは、内容を十分チェックするだろう。
特に取引先に渡したり、官公庁等に提出したりする書類の場合、不適切な内容が含まれていないかどうかを入念に確認するはずだ。

もしも、メールアドレスや個人名などの個人情報、あるいは書類とは無関係の人物の情報や社外秘のデータが含まれていたら、後々、大きい問題に発展する危険もある。

しかし、それは目に見えている情報だけだ。
では、Office文書に含まれている"目で見えない情報"は、しっかりチェックしているだろうか。

じつは、Officeファイルには、作成した本人も気づかない"見えない情報"がたくさん含まれているのだ。

1つはプロパティ情報だ。
たとえば、Wordで文書を作成したら、作成者の名前がプロパティに記録されている。
複数人で分担して作った文書の場合は、作成者に加えて、前回、更新した人物の名前も記録されている。

また、Word文書を校閲した場合は、校閲した人物の名前も記録される。
さらに、文書中の画像や表、Excelの行や列が非表示になっている場合もある。こうした非表示の箇所に入力された個人情報や機密情報に気づかないまま提出してしまうことも、十分考えられることだ。

そこでOfficeには、こうしたトラブルを避けるために、ファイルを検査する「ドキュメント検査」という機能が用意されている。

●Excelのブックに含まれる個人情報を検査して削除する方法
ここでは、Excelを例にブックに含まれるプロパティ情報や見えない情報を検査する方法を説明しよう。

検査される内容は少し異なるが、WordとPowerPointも手順は同じだ。


検査したいファイルを読み込んだら、[ファイル]タブを選択し、[情報]を選択する。[ブックの検査]のボタンをクリックして、[ドキュメント検査]を選択する。



このメッセージが表示された場合は、[はい]ボタンをクリックする。



検査したい項目をチェックして[検査]ボタンをクリックする。通常はすべての項目をチェックして検査するのがおすすめだ。



プロパティや個人情報が見つかった場合は、このようなメッセージが表示されるので、[すべて削除]ボタンをクリックする。このあと、ファイルを上書き保存する。


これで、プロパティ情報、隠し文字、非表示になっているオブジェクト、非表示になっている行や列が削除される。なお、削除したあとは、ファイルを上書き保存することを忘れないでほしい。上書き保存しないと、情報が残ったままになるので注意したい。

以上が、Officeのドキュメント検査機能の使い方だ。
ファイルに含まれる個人名やメールアドレス、電話番号などの内容まで把握して検査するわけではないので万能ではないが、見落としがちな"見えない情報"のチェックには有効な機能だ。

特に、重要な書類を社外に提出するときは、積極的に活用して情報漏洩の防止に役立ててほしい。


井上健語(フリーランスライター)