木村拓哉、今期ドラマ最高視聴率も「松本潤に負けた」と散々のワケ
元SMAPの木村拓哉(44)が主演したドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)が3月19日に最終回を迎え、平均視聴率16.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と自己最高を記録。全話平均でも14.5%と高水準となり、今期連続ドラマのトップが確実視されている。各メディアは「有終の美」「意地を見せた」と好意的に報じているが、その一方で「もう主演は無理」との声も広がっている。
木村にとってSMAP解散後初の主演、さらに初めて医師を演じた同作は初回視聴率14.2%でスタートし、一時は12.3%まで数字を落としながら前述のように最終回は高視聴率を獲得。全話平均14.5%となり、木村の連ドラ主演作としては前作の『アイムホーム』(テレビ朝日系/2015年)の全話平均14.8%、前々作の『安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜』(TBS系/2013年)の全話平均12.8%と比べても悪くない結果だった。
「SMAP解散騒動の『戦犯』と盛んに報じられ、イメージ急落によって今作は一桁落ちの危険性もあるとささやかれていました。その背景を考えると数字的には十分すぎるほどの結果。今作に力を入れていたTBSも胸をなでおろしているでしょう」(テレビ局関係者)
さすがはキムタクと言いたいところだが、今作に限っては「豪華キャストに助けられた」という見方も強い。
「ドラマが終盤になるほど木村演じる沖田ではなく浅野忠信(43)演じるマサオが物語の中心になり、最終回に至っては最後の見せ場となる大手術でもマサオがメインに。視聴者から『マサオが主役だった』『マサオによるマサオのためのドラマだった』という声が続出する事態になりました。しかし、それがかえって視聴者に好評でドラマが盛り上がるという結果になった。また、竹内結子(36)や松山ケンイチ(32)、木村文乃(29)、菜々緒(28)ら豪華共演陣の演技も評判がよく、視聴率に貢献したとみられています。少なくとも『キムタクだけで数字が取れる』という神話は完全に過去のものになった。しかし、いまだに木村は番宣で出演したバラエティで『俺様』ぶりを発揮したりと過去の栄光を捨てきれない部分があるようです」(前同)
■キムタク主演のメリットなし!?映画の成否が本当の正念場にとはいえ、あのキムタクが最終回で脇に下がるという脚本を了承したのだから成長は感じられる。今後は役者としての幅が広がり、ソロ活動の前途が開けたようにも思えるが、テレビ業界内では厳しい声もあるという。
「TBSとしては、昨年に同枠で放送された嵐・松本潤(33)主演ドラマ『99.9 -刑事専門弁護士-』(TBS系)の平均視聴率17.2%を超えるか、それに並ぶ数字を期待していたようです。映画化や続編の構想もありましたが、視聴率的にいずれも企画は難しくなった。局内でも『共演陣に助けられた』という印象が強く、もうキムタクを大々的に主演に据えるメリットはないという声が上がっています。『何をやってもキムタク』と揶揄される演技もあまり変わり映えがしませんでしたからね」(芸能関係者)
さらに今回の主演ドラマ以上に「失敗できない」とされる主演映画『無限の住人』(4月29日公開)にも不安の影が忍び寄っている。
「ドラマは共演者目当てや脚本の面白さで視聴者を振り向かせることができますが、映画の客入りは主演の力が大きくなる。すでに同作は『キムタクのプロモーション映像』といわれるほど木村押しが強いことが明らかになっており、現在の木村がどこまで観客を呼べるのかは未知数。解散騒動のゴタゴタによってイメージが悪化したため、頼みのSMAPファンの動員もあまり見込めない。主演ドラマは乗り切ったとしても、この作品の成否こそが本当の意味でキムタクの将来を決定づけることになるでしょう」(前同)
せっかく主演ドラマが今期トップ確実の好成績となっても、次から次へと課題が出てきてしまうのは「天下のキムタク」ゆえか。主演映画の大ヒットで不安を一掃するのか、それとも「もうキムタクはダメ」と烙印を押されてしまうのか、ここが最大の正念場となりそうだ。
文・橘カイト(たちばな・かいと)※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。