写真提供:マイナビニュース

写真拡大

●“大人”の印象が強いZ5
9月30日、NTTドコモの秋冬モデル新製品発表が行われ、スマートフォンやタブレット、フィーチャーフォンなど13製品が登場した。ここではそのうち、ソニー製スマートフォン「Xperia」シリーズの新製品、「Xperia Z5 SO-01H」について紹介する。発表会のタッチ&トライコーナーでの短い時間ではあるが、実際に手にとってみた感想をレポートしよう。

○Z4からの違いは少なめ

Xperia Z5は、同社のXperiaブランドのフラッグシップであるZシリーズの最新モデルだ。機種自体は9月頭に発表済みだったので、すでにご存知の方も多いことだろう。

Z5は画面サイズにより、標準モデルの「Z5」と、小型軽量の「Z5 Compact」、そして大型・高精細画面の「Z5 Premium」という3モデルに分かれている。この3機種は本体および画面サイズと、それに伴う一部機能の省略といった点を除けば、CPUやカメラ、通信機能などは基本的に同一のものになる。

従ってユーザーは「Z5」というくくりの中で、サイズや予算に合わせて選べばいいということになる。iPhoneが6sと6s Plusという2サイズに分かれているが、画面解像度と、カメラの光学手ぶれ補正を除けば基本的に同一スペックである、というのに似ている。

●Z4よりはやや厚く
○熱暴走の心配はなさそう?

4月にZ4が出たばかりなのにもうZ5か、という思いが拭えないのだが、Z4と比べてみると、基本的なデザインは伝統の「オムニバランスデザイン」を受け継ぎつつも、全体的に角張っている。Z4は側面が微妙な曲面になっていたが、Z5ではストンとまっすぐ断ち落としたような形状だ。このおかげで手にした時の高級感は少し落ちた気がするが、持った時の安定感はだいぶ増している。

また、本体もZ3からZ4で0.4mm薄型化したものが、Z5ではふたたび0.3mm厚くなっている。ただ、Z4は薄型化しすぎたせいか、とにかくよく熱暴走してカメラが使えなくなっていた印象が強い。一方Z5は、短い時間ではあったが、試用していた間は一度も熱関連のアラートが出なかったので、厚くなったぶん、冷却に余裕が出たのかもしれない。

●残念なポイントは?
○初めて指紋センサーを搭載

今回、Xperiaシリーズとしては初めて指紋認証機能を搭載した。指紋センサーは本体右側の電源ボタンに統合されており、ここに指をつけることで識別できる。Android端末によくある、本体裏側にあるタイプよりは使いやすそうに感じたが、この薄さに搭載するのはさぞ大変だっただろうと思わせる。

***

もともとXperia Zシリーズは完成度が高く、今更付け足すものもそれほど多くないのかもしれないが、一方でせっかくのLTE-Advancedでの接続速度が225Mbp止まりな点は、スペック至上主義と言われてしまえばそれまでだが、Xperiaというブランド力やそのフラッグシップモデルという立ち位置から考えると、少々残念ではある。

全体的な完成度は今回発表された秋冬モデルの中でも特に高く、高次元でまとまったいい端末だ。Android 6.0(Marshmallow)への対応も明言されていたので、将来性も確保されている。そろそろXperia Z1ユーザーが購入後2年を経過して機種変更を考慮する時期だが、この完成度であれば安心して乗り換えてもいいのではないだろうか。

(海老原昭)