池澤夏樹=個人編集《日本文学全集》(河出書房新社)第1期第3回配本である第13巻『樋口一葉 夏目漱石 森鴎外』の収録作は・樋口一葉『たけくらべ』(1896、川上未映子新訳)・夏目漱石『三四郎』(1908)・森鴎外『青年』(1911)の3篇。『たけくらべ』は子どもから青春期にさしかかろうという年ごろの美登利と信如の恋愛以前の交流を物語る短篇小説だ。この作品は文語体で書かれた。現代語訳には前例がある。早くも1950年代には、