NHKの連続人形劇「ひょっこりひょうたん島」は、いまでも人形や主題歌がCMで起用されるなど、名作として知られる。その放送が始まったのは、いまからちょうど50年前の1964年4月で、脚本を井上ひさしと山元護久が共同執筆した。このとき、山元とともに30歳になろうとしていた井上は、「ひょうたん島」が始まって、これでどうやら筆一本でやっていけそうだとの見通しが立ったという。この年は井上の個人史のみならず社会史のうえで