今回は、「アリス」についての批評である。しかし、ジョニー・デップの『アリス・イン・ワンダーランド』ではない。6月11日に公開される『アリス・クリードの失踪』についてである。この映画は、大手シネコンで大規模にガンガンかけるような大作ではないが、なかなか味のある映画である。『アリス・クリードの失踪』誘拐犯と人質という3人の関係が、ひとつの嘘をきっかけに目まぐるしく変化していく緻密な脚本と、実力派俳優た