南硫黄島は、本州から南に約1200kmに位置する無人島だ。この島は過去に人が定住したことがなく、原生の生態系が残る。一方、その地形の厳しさから、これまでに調査は1936年、1982年、2007年、2017年の4回しか実施されたことがない。このうち2回の調査隊に参加した鳥類学者の川上和人さんの新著『無人島、研究と冒険、半分半分。』(東京書籍)より、一部を紹介しよう――。南硫黄島(写真=Karakara~jawiki/CC-BY-SA-3.0-migrated