天理vs報徳学園
力投を見せる主島大虎（報徳学園）
上位打線に能力が高い打者が揃う天理が報徳学園の好投手・主島 大虎（1年）を攻略し、コールド勝ちを決めた。
1回表、天理は一死から2番斎藤 佑羽（2年）が9球粘り、10球目に右前安打で出塁すると、3番貞光 広登（3年）も右前安打で、一死一、三塁のチャンスを作る。ここで4番坂口 漠弥（2年）の二塁手の野選の間に天理が1点を先制する。
1回裏、報徳学園は二死三塁からバッテリーミスで同点に追いつくが、2回表、天理は6番川崎が中前安打で出塁。続く7番前久保 智也（2年）の犠打で、一死二塁まで進塁すると、8番棟田圭佑（2年）の敵失の間に、一死二、三塁のチャンスを作り、9番堤田 礼雄（2年）の左前適時打で2点を追加し、3対1とする。
しかし報徳学園も反撃する。4回裏、3番端岡 陸（2年）の中前安打、4番森井 拓真（2年）は敵失により無死一、二塁のチャンスを作り、5番東本 将弥（2年）の犠打で一死二、三塁のチャンス。6番正木 翔麻（2年）が凡退したが、7番多鹿 丈一郎（1年）の左前適時打で3対2の1点差に迫ると、さらに代打・田原 宗汰（2年）の内野安打で同点に追いついた。
勝ち越し打を放った坂口（天理）
同点に追いつかれた天理は直後の5回表、二死二塁から4番坂口が左前適時打を放ち、4対3と勝ち越しに成功。
ここまで2打席凡退だったが、この打席では、スイングの出こそ窮屈だったが、非常にコンパクトに振り抜くことが出来ており、しっかりと修正をすることが出来ていた。この夏の奈良大会では4本塁打を放った坂口。185センチ90キロと堂々たる体格をしており、来年のドラフト候補として期待がかかる逸材だ。2打席凡退してから、修正するところが素晴らしい。
その坂口は8回表、先頭打者として今度は外角の球をしっかりと巻き込んで左中間を破る二塁打を放ちチャンスを作る。4番の2安打に橋本監督は、「以前はボール球に手を出すことが多かったが、今日はだいぶ落ち着いて打席に入ることが出来ていて、ボール球が見極めれている。成長が感じられますね」主砲の成長ぶりに目を細めていた。
天理は二死一、三塁から8番森浦 大輔（1年）の適時打で1点を追加すると、9番堤田は死球で二死満塁に。ここで1番船曳 海（2年）の敵失で1点を追加し、さらに2番斎藤の二塁内野安打で1点を追加し、最後は3番貞光が右中間を破る走者一掃の三塁打で、10対3と7点差を付ける。
その裏、左腕・森浦が130キロ前半の速球を武器に、報徳学園打線を三者凡退に抑え、試合終了。天理がコールド勝ちで準々決勝進出を決めた。
天理の橋本監督は、「打線が繋がったのが良かったです。主島投手は外角に決まるツーシームが厄介でしたが、球数を投げさせて後半に攻略することが出来ました。その中でもしっかりと活躍を見せてくれたのが2番の斎藤ですね」投手ながら2番を打つ斎藤。元々外野手として入ってきた斎藤。投打で野球センスの高さを感じさせる。第1打席に10球投げさせて右前安打、5回の第3打席も左二塁打を放ち、勝ち越しのきっかけを作る。第5打席は追加点となる適時打と、打撃面で大活躍だった。
また斎藤、坂口だけではなく、他にも好打者が多い。シャープなスイングから鋭い打球を放ち、塁間4.00秒前後で駆け抜ける1番船引、さらにフットワークが軽快な遊撃守備と広角に鋭い打球を打てる3番貞光もいる。5番冨木 崚雅（2年）も夏経験者で、経験豊富な選手たちが引っ張り、圧倒した活躍を見せている。
次は大阪桐蔭と対戦。過去に何度も激しい戦いを繰り広げたライバル対決だ。熾烈な戦いになることは間違いない。
