鹿児島城西vs鹿児島実
気持ちで引かずに戦えた・鹿児島城西
勝利を喜ぶ鹿児島城西ナイン
鹿児島城西は苦しみながらも強豪・鹿児島実に1点差で競り勝った。
1年生ながらも球威のある平将太を大一番の先発に起用したが、制球が安定しない。4番・綿屋樹（1年）に先制タイムリーを浴び、2つ目の四球を出したところで、金城和彦監督はエース上原幸真（2年）をリリーフに送った。
立ち上がり早々の継投だったが、上原は「いつ出番が来てもいいように準備はできていた」。ブルペンからボールが走っており、二死満塁のピンチをしのぐと両コーナーを厳しく突く丁寧な投球で、2回以降も追加点を許さなかった。強打者ぞろいの鹿児島実打線に対して「気持ちで引いたら負け。1人1人の打者に対して、気迫を前面に出して投げられた」（上原）。
攻撃でも積極策が功を奏した。4回まで3人ずつで片づけられていたが、5回、先頭の4番・石神聖貴（2年）がセンターオーバー三塁打で出塁する。5番・辻亮吾（2年）は打ち上げたが、レフト前に落ち同点。6番・福永将希（2年）がバントと見せかけ、エンドランを決めて一三塁とし、7番・植囿勇亮（2年）が犠牲フライを放って勝ち越した。
「ベンチに下がった平も、明るい声が出ていた」と原田塁主将（2年）。初回ＫＯで不本意な投球内容だったが、落ち込むことなく、ベンチでできる自分の最善を尽くしていた。7回裏一死満塁のピンチを併殺でしのぐなど、堅い守りも好投の上原を援護した。「守備でも、攻撃でも、気持ちで引かない戦いができた」ことを原田主将は勝因に挙げていた。
（文＝政 純一郎）
