前原vs那覇
攻守ともに見ごたえがあった7回裏の攻防
準決勝までの3試合で13打数8安打と、当たりに当たっている前原の3番謝花 良陛（じゃはな・りょうへい）のバットはこの三位決定戦でも際立っていた。
3回、2点タイムリーを放つ前原・謝花良陛
3回裏、前原はツーアウトながら一・二塁とすると謝花が左中間を破る二塁打で二者が生還し先制すると、5回裏にはニ死一・三塁から謝花に負けじと4番知念琉太がセンター前へ弾き返し1点を加える。さらに5番徳盛辰樹もライトの頭上を襲うタイムリー三塁打を放ち那覇を突き放した。
4回に1点を返した那覇は7回表、宮城駆（かける）のタイムリー二塁打と押し出しの死球で2点を挙げて食らいつくが、序盤を終えて4点のビハインドはやはり重かった。しかし、9回表もツーアウト走者無しから二者連続ヒットで粘りを見せるなど「 39年振りのベスト4！ホント良くやった 」と試合後、選手たちの頑張りに無条件で褒めたたえた大城監督の言葉と表情に、今大会での那覇の健闘ぶりが凝縮されていた。
勝った前原は「 一年生リレー 」（大川監督）と、疲れの見えていたエースの西野光人（ひろと）を温存しての勝利にまずまずの満足感が広がるも「 ピッチャーがベースカバーに走らない 」（大川監督）といった、まだ一年生という若さ故の課題も見え、お灸を据えた（降板）試合だったとも言えるが、15打数9安打で打率6割の謝花が引っ張る強力クリーンアップを中心に、第3シードとして迎える秋が非常に楽しみな今大会の前原であった。
（文：當山 雅通)
