ジャーナリストの池上彰氏

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ジャーナリスト・池上彰氏(64)が10日、テレビ東京の報道特番「池上彰の戦争を考えるSP(今月17日に放送)」の収録スタジオにて、報道陣の取材に応じ、自身が矛盾に思うところを伝えた。

同番組は、69年前に終わった戦争の記憶とともに、今、地球のどこかで起こっている戦争について考察するもの。池上氏は「日本の戦争を振り返りつつ、今、起こっている世界の戦争も見ている」と話し、「すなわち、二兎を追っている番組だ」と紹介した。

「みなさんもA級戦犯という言葉を耳にすると思う。だが、その他にもB級…C級戦犯だと問われて、アジア各地で多くの若者が処刑されています。処刑されてしまった若者の遺書といいますか、文章などが新たに見つかった」と取り上げる題材の一つを報告し、「若くして命を絶たれなければいけなかった、その悔しさ。あるいは、戦後の日本の発展に期待をしながら死んでいった若者の言葉など…」と具体例を示していた。

そのように話した後、若者たちが目にすることがあろう戦争映画の描き方についても、突っ込んだ。

「日本の軍隊は“非常に勇ましく正義のために戦った”と描かれた内容もある。それは、当時の一線を戦った若者の純粋な思いも確かにあっただろう。だが、軍の幹部には、責任逃れだったり、とてつもない愚かな判断ミスもあったことも、たくさんあったということも知って頂きたい」

池上氏は、次の点にも熱く語りかけた。

「みんな『戦争するぞ』って言って、戦争しているのではない。平和が大事。平和をスローガンに掲げるような『平和のための戦い』という言い方をして、結局、戦争になってしまっていることがあるのでは?」と問いかけた。

「誰しも平和という言葉を口にしますが、それで平和になる訳ではないことを考えてもらいたい」と続けていた。

同番組のゲストとして、俳優の八千草薫、宮崎美子、本仮屋ユイカ、峰竜太。お笑い芸人のパックンらも出演。8月17日(日)の19時54分から、テレビ東京系列で放送される。

▼ 出演の皆さん

宮崎美子、峰竜太、八千草薫、池上彰氏、相内優香アナ、本仮屋ユイカ、パックン


▼ 報道特番「池上彰の戦争を考えるSP」の収録スタジオより



▼ ジャーナリスト・池上彰