恐竜についてはまだまだ謎だらけで、今なお研究や調査が続けられています。

カナダにあるロイヤル・ティレル古生物学博物館で絶滅した恐竜の研究をしている古生物学者が、「恐竜についていろいろ重要なことを知っている、何か聞きたいことはありますか?」と、海外掲示板で質問を受け付けていました。

恐竜についての興味深いQ&Aをご紹介します。

 

Q:ペットにするならどの恐竜がベストですか?
A:ステゴサウルスの赤ちゃんだね。脱皮する(もしくは毛が抜け落ちる)ことはないし、飼い主を食べたりしない。


(ステゴサウルス - Wikipedia)

↑大きくなったらどうなるの?↑そうだそうだ、無責任な飼い主が、「もう小さくもかわいくもなくなかったから」といって、ステゴサウルスを捨て始めると困るんだ。↑A:恐竜の飼い主として常に責任ある考え方をしてほしい。

Q:どの恐竜がもっとも過小評価、または過大評価されていますか?
A:過大評価されているのはティラノサウルス、過小評価されているのはオルニトミムス“Ornithomimids”


(ティラノサウルス - Wikipedia)


(オルニトミムス - Wikipedia)

Q:なぜ古生物学者になろうと思ったのですか? どういうコースを受けないといけないのですか? それからお気に入りの恐竜を教えてください。
A:子供の頃からの情熱だね。4歳のときに最初の恐竜の本をもらったんだが、それ以来夢中になった。勉強は高校のあと11年を要したよ。大学院で地質学を専攻し、古生物学で修士号と博士号を取得した。お気に入りの恐竜はトリケラトプスだ。


(トリケラトプス - Wikipedia)

Q:自分も子供の頃からそういう仕事をしたかったです。ティラノサウルスの手は、どうしてそんなに小さいのですか?
A:ティラノサウルスは頭部を第一の武器として進化させてきたので、腕を使う必要がなかった。頭部が大きく、強くなるにつれ、腕は短く弱くなっていったんだ。

Q:おとなのティラノサウルスには羽毛があったと思いますか? ティラノサウルスの赤ちゃんが羽毛で覆われている描写を見たことがあるのですが、巨体にふわふわした羽毛があるのを想像しにくいので。
A:それについては現在調査中の疑問なんだ。今のところ確かなことはわかっていないけれど、中国で見つかったティラノサウルスの赤ちゃんは完全に羽毛で覆われていた。なので可能性はある。

Q:ティラノサウルスは真の捕食生物ですか? それとも実際はあさり屋ですか?
A:いい質問だね。答えはその中間にある。現代のライオンのような捕食動物でも完全な捕食だけではないし、簡単にありつける食事は無視はしないね。

↑自分たちも時にはスーパーへ行き、時には昨日の残りの冷たいピザを朝ごはんとして食べる……。

Q:もしジュラシックパークが現実のもので、訪問したときに完全崩壊モードに入ったら、あなたはどうしますか?
A:叫んで逃げる。

Q:カラスの行動は恐竜と似ていますか?
A:おそらく似てないと思う。カラスはかなり賢く、道具を使うことができる。たぶんカラスはほとんどの恐竜より賢い。

Q:何匹くらいのコンプソグナトゥスの面倒を見ることができると思いますか?
A:20匹。

Q:恐竜に関する、一番大きな誤解は何ですか?
A:彼らがガーガーと鳴いたり、巨大なうろこのついた冷血動物だと思われたりしていること。実際はほとんどが羽毛で覆われている。
それから恐竜は失敗した生き物ではない。彼らは多様で全ての大陸に1億6500万年ものあいだ暮らしていた。なおかつ全部が絶滅したわけではない。鳥は恐竜だから。つまり獣脚類はまだ存続しているということ。

Q:あなたが仮にジョン・ハモンド氏(ジュラシックパークの創設者)だとすれば、生き返らせる最初の3つの恐竜はどれですか? 今の仕事は毎朝仕事にでかけるとき、どんな感じですか?
A:ティラノサウルス(T-Rex)、トリケラトプスステゴサウルスアパトサウルスランベオサウルスの5つだが、選べなかったので。世界で最高の仕事だと思っているよ。


(アパトサウルス - Wikipedia)

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(ランベオサウルス - Wikipedia)

Q:急に警告もなく恐竜たちが生き返ったらどうなると思いますか?
A:とても大きなトラブルだね。おやつの時間だ!

Q:ジュラシックパークでお気に入りの場面はどこですか?
A:このシーンは忘れられないね。
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Q:この概念はどれくらい恐ろしいものですか?
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A:この世の終わりだね。

Q:フィールドワークをするときには、たくさんの完全な骨格を見つけるのですか? それとも骨はばらばらで、確認してから組み立て直すのですか?
A:歴史的にはアルバータ州バッドランド(カナダ西部)は恐竜発見の宝庫だ。現在の博物館で見られるほとんどの完全な骨格は、カナダのアルバータ州から来たものだ。昨今は完全な骨格を見つけることは珍しいが、われわれが見つけるのもそれだ。

Q:地質学の歴史で、アルバータ州が今までの化石の発見の宝庫になっている理由は何ですか? アルバータ州が恐竜居住の中心地だったのか、それとも化石が保存される地質的な条件がそろっているのでしょうか?
A:答えは地質に加えて現在の気候だね。7500万年前の当時、ロッキー山脈が形成される際に河川が洪水を起こし、恐竜たちが埋められて行き、それが理由で化石がわかりやすく残った。
そして現在の気候によって植物が少ないので、岩石が露出して化石が出現するようになった。このロッキー山脈と気候の偉大な組み合わせにより、岩石が化石を保存するのに完璧な時期となっていること。

Q:もし戦うとしたら、トリケラトプスサイズのコンプソグナトゥス1匹か、あるいはコンプソグナトゥスサイズのトリケラトプス100匹か、どちらをとりますか?
A:トリケラトプスが草食だということを考えて、そこまで残忍ではないだろうからそれを1匹とるかな。

Q:ティラノサウルス(T-Rex)とニコラス・ケイジが戦ったらどちらが勝つと思いますか?
A:ゴーストライターのニコラス・ケイジなのか、ザ・ロックのニコラス・ケイジなのかどっち? 科学の世界では、仮説を立てる前に変動しない一定条件を設けてから比べないとね。

↑フェイス/オフのニコラス・ケイジでは?

A:まちがいなくT-Rexだね。

Q:そこの博物館でもっとも興味深い独特なものは何ですか? よその博物館にはないというものを教えてください。
A:今走って撮ってきた。自分の意見ではこれだ。
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Q:ジュラシックパークの科学はどれくらいが真実ですか?
A:答える前に、映画は楽しかったと言っておく。だが映画は映画だ。たとえばヴェロキラプトルの爪を映画で見せていたが、かなり大げさになっていた。その証拠に階下へ行って写真を撮ってきた。
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左:ジュラシックパークの爪
中:実際の爪
右:比較にバナナ

 

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(ヴェロキラプトル - Wikipedia)


とにかく人気の高い恐竜ですが、研究調査は日々進んでいるようです。とても興味深い仕事のようで、なりたい人が大勢いることがよくわかりますね。

IamA a palaeontologist at the Royal Tyrrell Museum in the Canadian Badlands of Alberta specializing in extinct predators

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