台湾機墜落  遭難の新人客室乗務員、最後まで任務を全う

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(澎湖 25日 中央社)トランスアジア(復興)航空の旅客機が23日、澎湖県・馬公空港付近に墜落・炎上、48人が死亡した惨事で犠牲者のうち4人は同社の乗務員だった。このうち、新人の女性客室乗務員が持ち場を離れることなくシートベルトを締めたまま亡くなっているのが発見された。

この客室乗務員は大学を卒業後入社し、フライト勤務に入ってまだ7カ月の呉姿瑩さん(24)。呉さんの遺体は瓦礫の中の幾重にも重なった座席の下から見つかった。救助隊に発見された時、制服姿の呉さんは機内の担当場所でシートベルトを締めたままの姿だったという。

事故の第一報が入った当時、会員制交流サイトのフェイスブックは奇跡が起こるよう祈る声であふれたが、結局、微かな望みは完全に断ち切られた。その後は次々と追悼の言葉が寄せられ、中には呉さんが離陸直前の出発空港の様子について「高雄は暴風雨でとても恐ろしい状況だ」とメッセージを送っていたと振り返り悲しむ声や、来世でも“天使”でいてほしいなどの書き込みが多く寄せられた。

呉さんは生前、フェイスブック上で「機内食を出したり免税品を売ったりする時ではなく、緊急事態発生時に乗客を脱出避難させる時こそ客室乗務員としての真価が問われる」、「全ての乗員・乗客にとって一回一回のフライトが良い旅となることを願う」という先輩乗務員の話を紹介。「私も全く同感です」との感想を付け加えていた。

(編集:谷口一康)